投資の勉強始めるよ~
今日のテーマは預貯金について。
投資しないで寝かせている人、多いですよね。
減らないから安心と思っているでしょ?
そういう人は、自分の預金を投資に回し、きちんと複利で計算したときにどれだけ違ってくるかをちゃんと知るべきです。
Contents
もしツタンカーメンが銀行預金したら
古代エジプトのファラオ(王)、ツタンカーメン王の墓が1922年に発見されてからもうすぐ100年になります。そんなタイミングもあるのか、最近よくニュースを耳にしますね。

今年初めには約9年におよぶ墓の修復が終わり、この夏には「黄金の棺」の修復が始まったというニュースを見ました。*写真は黄金のマスク。
英クリスティーズで行われた約3,000年前の王の頭像の競売に、エジプト政府が待ったをかけたというニュースもありました。盗品ではないかという理由らしいですが、結局6億円超でどなたかに落札されました。まさか日本人ではないでしょうね。
ツタンカーメンといえば、「王家の呪い」として記憶されている年輩の方も多いのではないでしょうか。墓の発掘の関係者が次々と謎の死を遂げるミステリー。
この「ファラオ=呪い」の図式はいつのまにか世間に定着してしまっています。ハリウッド映画などでエジプト王の墓がやたらとオカルティックに扱われているのも、端緒はこの「呪い」からではないかと思われます。

そんなことが頭の片隅にあったせいか、エジプトとは全く関係のない積立投資の勉強会の席で講師の口からいきなりツタンカーメンの名前が出たときにはビックリしました。
こんな話です。
いま日本の銀行の普通口座にお金を預けたら、2倍になるのにどれくらいの年数が必要でしょうか。楽天銀行の年利0.02%を基に複利計算してみたら……。
答えは3600年!
ツタンカーメン王が預金してたら、今ごろ2倍になっていましたね!www
講師の冗談で会場が爆笑に包まれました。
実はツタンカーメンが生まれたのは紀元前1342年ごろ。なので、生まれてすぐに口座を作ったとしてもまだ3360年ほどしかたっていません。預金が2倍になるにはあと140年待たないと(笑)。
さすがのファラオもしびれを切らして棺(ひつぎ)の中からこう叫んだそうです。
「のろいわっ!」
これがほんとのツタンカーメン王の「のろい」
複利計算は「72の法則」
冗談はさておき、前述の複利計算は「72の法則」と呼ばれるものです。
元本が複利で2倍になるのに要する年数は「72÷利回り」で求められます。なんで72なのかは私に聞かないでください(汗)。
今あるお金をX年で2倍にしたいなら、必要な利回りは「72÷X」で計算します。3年で2倍にしたいなら24%、10年なら7.2%の利回りが必要という具合です。
ちなみに他の大手都市銀行の普通預金に預けたお金が2倍になるのには、72÷年利0.001%で、72,000年かかります。預けている間に何かに進化してますね(笑)。
ことほどさように、今の時代に銀行預金していてもお金は増えません。
「増えなくても減るよりはマシ!」
という声が聞こえてきそうです。日本人は預金大好きですからね。

でも本当に減らないんですか?その預金。。。
金融資産の54%が現金と預貯金
下表は日銀がまとめた日米欧の家計金融資産の構成比です(「資金循環の日米欧比較」2020年8月発表)。

これを見ても日本の現金預金率が異常に高いことがわかります。
最新の日銀の資金循環統計では、家計金融資産の残高は1,883兆円。このうち1,031兆円が現金・預金です。
その比率、なんと54.7%!(増えてんじゃん…)

で、この預金比率の差が資産形成にどう影響してくるかというと、、、

こうなります。
これは米FRB、英BOE、日銀の資料を元に金融庁が作成した日米英の家計の金融資産の推移を比較したグラフです(1995〜2015)。
日本の家計金融資産が20年で1.47倍にしか増えていないのに対し、英国では2.27倍、米国では実に3.11倍に増えています。
この差はどこから生じるのか。
このグラフを作成した金融庁は「日本は貯蓄率が高い上に株価が低迷し利回りも低かった。対照的に米国ではバランスのとれたポートフォリオが実現し、英国では(NISAのモデルとなった)ISAの導入で投資額が増加した」と分析しています(一部要約)。
要するにインフレ率+国民が現金を投資に回しているかどうかの差なのです。
インフレが順調に目標の2%前後で進む欧米では(アジアはもっと高い!)物価が上がるとともに賃金も上がっていきます。デフレの長い日本では賃金もずっと上がらないままです。
この差がどんどん拡大し、日本は先進国の中でも最低部類の「貧しい国」になってしまいました。われわれが後進国と呼んでいたアジアの新興国の人々も「日本は物価が安い」と言って旅行にくる時代です。
日本の土地や不動産、大事な水源地や観光地、あるいは高級な農産物などが外国人に大量に買いあさられています。輸入食材なども年々質が低下していっているような気がしませんか?
方や日本の若者はますます内に閉じこもるようになり、世界がどんどん日本を置いてけぼりにしていっていることを実感できていません。
バブル後にますます預金好きに
1000兆円超の現預金は、消費にも使われず、したがって日本経済に何も寄与していないいわば死に金です(金融機関が企業に貸し付けているお金は預金量とは関係ありません)。この1000兆円が消費や投資に回ってくれば、日本経済はどれだけ浮上することか。
なぜこんな弊害ばかりなのに、日本人は現金や預貯金が好きなんでしょう。
日本では戦中、戦費調達のため国民あげて貯蓄が奨励(強制?)されましたが、ご高齢の方にはそうした「戦中教育」の名残もあるんでしょうか。
そして、高度成長期には定期預金の利息が年10%以上もつくような時期があり、国民は投資なんかしなくても銀行や郵便局にお金を寝かせておくだけで資産が増やせました。
下の写真は1980年(昭和55年)の郵便局(現ゆうちょ銀行)の封筒の画像です。
ここに印刷された定額貯金の元利金表にご注目。右側の年利回りの数字、小数点の位置が間違っているわけじゃありません(笑)。ゼロ金利時代に生きる若い人たちが見たらやりきれない気持ちになるんじゃないでしょうか。

半年預けているだけで6.5%、1年なら7.12%って冗談かよ、おい!って感じですよね。
10年ならなんと11.91%です。複利計算72の法則で計算すると、
72÷11.91=6.0453
だから、ほぼ6年で資産が倍になる勘定です。
その後1980年代後半にバブルが弾けて株価が暴落し、投資への恐怖が一気に高まったことも日本人の現金主義に拍車をかけました。
国民の間にはいつしか「投資は危険、預貯金こそ善」という考えが蔓延し、投資リテラシーのない親がそのままそれを子へと伝えて、日本人全体の共通認識として定着してしまった、というのが僕の想像です。
30年超にわたる長いデフレ(デフレーション=通貨収縮)と株価低迷の時代が続いた「失われた30年」は、「現金・預金が一番理にかなった資産の持ち方だった」という見方もあります。減るよりマシってことですね。
貨幣の価値で考えると、、、
さて、この現金や預貯金、これからの時代も本当に減らないと言えますか?(2度目)
確かに額面は変わらないでしょう。100万円預けたら100万円は保証されます(最近は口座維持手数料を取ろうという動きもあるようですが)。
でも貨幣の価値という意味ではどうでしょうか。
昔は100円だった缶ジュースが今は140円。ワンコイン500円で食べていたランチがいつの間にか700円になっていたなど、身近なところで物の値段が上昇していませんか?

100円で買えた物が140円払わないと買えなくなるということは、貨幣の価値は相対的に下落したことになります。
さらに、値段が同じでも量が減り、質が劣化する「ステルス(見えない)値上げ」も着実に進んでいます。これについては以下の記事で書いています。

つまり、金額は減っていなくても、実質的には現預金は減ったも同然なのです。
デフレ時代があまりに長かったせいで、日本人の多くは「インフレ(インフレーション=物価膨張)」がどうなるのかを忘れてしまっていますが、本当はけっこう怖いのです。
ジンバブエの100兆ドル紙幣
インフレといえば、近年ではジンバブエやベネズエラのハイパーインフレが記憶に新しいかもしれません。
前者は独裁政権の圧政で経済が悪化し、財政赤字を埋めるためにじゃぶじゃぶ紙幣を発行した結果、2000〜2008年にインフレ率23桁%、2008年だけでインフレ率10兆%(物価1000億倍以上?)になったそうです。もう何がなんやら。
お金はどんどん価値を失い、飲み物1つ、じゃがいも1つ買うのに札束を何個も用意しなくてはならず、ジンバブエ政府はデノミネーション(通過切り下げ)と高額紙幣発行を繰り返しました。
2008年にはとうとう額面だけなら世界最高額となる100兆ジンバブエドル札(写真下)が発行されましたが、たがて1兆ジンバブエドルを1ドルとするデノミを経て、最後は紙くず同然となってジンバブエドルは廃止されました。

まあこれは極端な例で、先進国ではこのような超インフレはないとされています。でも日本でも原油供給量のひっ迫によるオイルショックで一気に年23%も物価が上がった年を経験しています。
天候不順による食糧難、エネルギー供給不足、近隣国の政情不安や戦争、、、。これから先、何が引き金となってどれだけ物価上昇が起こるかはわかりません。


長期スパンで消費者物価指数(CPI)を見てみましょう。上図は日本の半世紀の推移、下図は先進7か国の1980年以降の推移です(参議院予算委員会調査室「経済・金融・財政 月例資料」より)。
バブル崩壊以降、日本は横ばい傾向が続いています。でもほかの国々は少しずつでも物価が上がっています。特に米国は急上昇。これを見ると、なぜ米国人が投資に前向きなのかわかると思います。放っておくと現金の価値がどんどん下がるわけですから。
歴史的に見れば、バブル後の日本だけが例外的にデフレが続いているだけなんです。
この原因がなんなのかはわかりませんが、やはりバブル後の経済のかじ取りに根本的な問題があったと言わざるをえません。
日銀、異次元緩和の本当の狙いは
日本銀行が先進国に先駆けて異次元金融緩和政策を採ってきたのはなぜでしょう。
金融緩和とは、政策金利を継続的に引き下げることで、市中に出回るお金を増やすこと。その狙いはずばり物価を上昇させることです。
物価上昇の目標(インフレ・ターゲット)は2%。
なんでわざわざ貨幣の価値を下げるようなことをするのかって?
それは、物価を上昇させることで企業の売り上げや世帯収入を増やし、最終的に日本をデフレから脱却させて全体の景気回復を図るためです。
いや、市場関係者の間では、膨れ上がった累積債務を一気に健全化させるためのウルトラCだという意見もありますね。金利を下げることで債務(国債)の利払いが抑えられ、さらに物価上昇=貨幣価値下落により、債務が一気に軽くなるからです。

インフレ率以上に収入が増えない場合、国民は泣きを見ることになります。預貯金大好き日本人はさらに泣きっ面に蜂です。
これは目に見える形ではないけれど税金と一緒だ、ってことで「インフレ・タックス」と呼ばれたりします。
ぜいきんはんたーい

結論、預金は減ります。
実際には目標の2%にはなかなか届かないようです。
前回の消費増税が足を引っ張っているという見方もあります。今年10月からのさらなる消費増税もまた、今のデフレ化で実行するべきではないのではと個人的には思っています。
それでも、仮に年1%ずつ上昇するだけでも、確実に通貨の価値は目減りしていきます。
先の複利「72の法則」で物価上昇を計算すると、年1%なら72年、2%なら36年、3%ならわわずか24年で物価は2倍になり、貨幣価値は半減るすことになります。
下図はインフレ進行と貨幣価値の推移を示したグラフです(三菱UFJ銀行「どうして資産形成が必要なの?」より)。
インフレ率2%だと10年で1000万円の価値が2割も目減りしちゃうんですね。

わかりやすく言えば、今なら1000円出せば食べられた天丼がいつのまにか食べられなくなり、仕方なく(今は800円の)親子丼を1000円払って食べているイメージ、でしょうか。
現金預金の価値が減るという意味がなんとなくわかりましたか?
んーーーー、にゃんとなく?

今後、投資がますます必要になる理由は他にもあります。
少子化による人口減と先進国に先駆けて訪れる深刻な高齢社会です。経済成長は鈍化し、企業は儲からず、労働者の賃金や退職金も増えなくなる。すでにそう実感している人も多いようです。
投資をして自ら資産を増やしていく努力をしていかないと、国や会社に頼りっきりではじり貧になるだけです。
マクロ経済スライドという支給削減システム
そして、ふたたび年金について。
前回記事で不足2000万円の問題を書きましたが、年金保険料など社会保障費の出費は今後どんどん増え続ける一方、支給年齢が遅くなり、支給額も減っていきます。
いや、額面自体は増えるはずだけど、物価上昇に見合う額にはならない。つまり実質的には減るということです。
前回の記事でちらっと触れましたが、支給額が増えていかない理由の1つに、2004年度から導入された「マクロ経済スライド」があります。
え?まぐろ?

そのときの社会情勢(年金の被保険者や現役人口の減少、平均余命の伸びなど)に合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組み。本来年金は賃金や物価の上昇率に合わせて支給額を増やしていくものだけど、現役世代の負担が重くなるから、これらの上昇率より支給額の上昇を低く抑えていくよ、ということ。
建前は現役世代の負担軽減ですが、本当のところは
「あからさまに減額すると国民の反発を招くから、わざとそのへんをわかりにくくしてごまかしちまえ」
という制度だというのがもっぱらの評判です。
年金は現役時代の収入の半分以下に
下のグラフは前回の「年金2,000万円不足」報告書にあった厚労省の「所得代替率と平均余命」の推移を示したグラフです。

所得代替率とは、各世代が65歳になったとき、現役世代の平均収入と比べてどれくらい年金がもらえるかを比率で示したものです。
計算モデルは「40年働いた65歳の夫と、20歳から40年間専業主婦だった妻」って設定です(←どうなのこれ?)。
所得代替率は、この夫婦が65歳になってもらう年金が、夫の現役時の収入(この世代の40年間の平均賃金)の何%かを示す値です。
これから先、どの程度この「減額スライド」が作動するのか定かではないですが、厚労省の試算では、2014年度に65歳だった人が現役時の62.7%年金をもらえたのに対し、2049年度に65歳になる人(現在35歳の人)は50.6%しかもらえないとしています。現役時代の半分ですね。
生きるのつらい。。。

この計算には続きがあって、もしそれから先も減額スライドが続いた場合、2058年度に65歳になる人(現在26歳)はなんと現役時代の42%まで所得代替率が低下すると試算されています(厚労省サイト)。
あくまで机上の試算ではあるけれど、平均余命だってどんどん伸びていくわけで、若い人ほど不足は2,000万円じゃ済まないのでは?と思わざるをえません。
ここまでおどしても、日本人の預金信仰はなかなかなくならないんでしょうね。。。

「日本人はこのままではだめです。預貯金だけ。とても危険です」
僕の投資の師匠、鵜尾 廉(うお・れん)氏も常々いきどおっています。
「現金保有というのは、それだけ日本政府を信用しているということです。しかし今後は、日本の通貨の価値は下落し、物価と株価と不動産が上がっていきます。それまでに投資の勉強をして準備をしておかないと、国民は貧しくなる一方です」
危機感ばかりあおってすいません。要は「一刻も早く投資を始めましょう」というお話でした。

◎預金が2倍になるのに最低3600年かかる超低金利時代
◎黙っていてもインフレが進めば預貯金は目減りする
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