今日は珍しくアメリカ株の勉強をします。
といっても、個別銘柄はなかなかここでは推奨しにくいんで、ハイテク銘柄のETF(上場投資信託)や投資信託の話です。
成長力がハンパない米国ITセクター(業種)や人気ハイテク銘柄に投資したい人も、1株1株買うとそれなりに値が張るので、どれを買ったらいいか迷いますよね。
そこで、少ない資金でハイテク株全体をまるっと買えるおすすめファンドを紹介しようという試みです。比較チャートや主要銘柄の保有比率の比較表も最後の方で掲載してますのでぜひご覧ください。
では、総計12,000字超!「米国ハイテク株投信・ETFのおすすめ8選」はりきっていきましょう!
Contents
米国経済をけん引するセクターはやはりハイテク銘柄
まずは下の表をごらんください。

これはバンガード社の代表的なセクター別ETFと、2019年年初を起点としたおおよその騰落率(2020年4月末現在)です。
これをチャートにするとこうなります。

(Investing.comでぐれあむ勉作成)
細かいところはあまり気にしないで、太線にした赤とオレンジの2本のラインにご注目。
赤のラインがおなじみS&P500指数(米国を代表する大企業500社の株価指数)をベンチマークとする(=同じ値動きをするよう銘柄構成した)バンガードの上場投信VOOです。そのラインより下、薄く青で塗りつぶしているところはこのVOOよりパフォーマンスが下の値動きであることを意味しています。
一方、オレンジ色のラインは同じバンガードのVGT、すなわち「IT(情報技術)セクター」の値動きを示したものです。
こうやって比較すると、米国株をけん引していたのがITセクターだったことがよくわかります。
S&P500はあらゆるアクティブ投信が目標としながら、その9割が負けを喫しているインデックスです。ITセクターはこれを大きくアウトパフォームして(上回って)いますね。
原油が需要減から暴落した影響でエネルギーセクター(VDE)の落ち込みがひどいですが、ほかにも素材(VAW)、資本財(VIS)、金融(VFH)がマイナス成長となっており、全体の足を引っ張っているのがわかります。

ちなみにチャート期間を10年に引きのばしても結果は同じです。いや、ITとそれ以外のパフォーマンスの差はもっと広がっています。

S&P500を上回るのは、ITいがいではヘルスケア(VHT)と一般消費財(VCR)くらい。このVCRの代表銘柄がご存じネット通販サイトの巨象、Amazonです。
米国株はコロナショックで暴落する前、2月半ばごろまでは高値を更新していました。バブルとも言われていましたが、その強い米国株をずっとけん引してきた中心がIT企業でした。
S&P500に占める比率はITセクターが最も大きいため、短期ではこのセクターに引っ張られて似たような動きをするとも考えられます。

2020年9月追記:
年初から9月までの同じセクター別騰落率をチャートにしてみました。9月に入ってIT(オレンジ)は暴落していますが、それでもまだまだSP500(赤)にアウトパフォームしていますね。

Amazon や Google はITセクターじゃない?
上記で見てきたように、全体で右肩上がりの米国株も、セクター別に見ると微妙に成績が異なるのがおわかりいただけたでしょうか。
もしS&P500指数をベンチマークとするETF(ここではVOO)を購入する場合、分散は効いているものの、足を引っ張る他セクターにも金をつぎこんでいることになります。
そこで、成長産業であるITセクターや人気ハイテク株だけに集中投資できないか、そういうファンドってないの?というのが今回の記事の主旨です。
しかしその前に、ITやハイテクという言葉の定義について注意があります。
まずIT(情報技術)産業とはどんな分野かというと、
- テクノロジー・ソフトウェアやサービス
- テクノロジー・ハードウェア
- 半導体・半導体製造機器
という主にこの3つのカテゴリーを指します。
ITとはInformation Technology(情報技術)のことなので、「情報」を集め、加工し、伝達したり保存したりする技術全般にかかわるテクノロジーということでしょう。
米国の代表的なIT企業といえば、Microsoft、Appleはわかりやすいですね。前者はWindowsというソフトウェア、後者は携帯電話のiPhoneというハードウェアを核とした製造・サービスの会社です。
しかし、米国IT企業を代表するはずのGoogle(運営会社の社名Alphabet)、Facebook、Amazon、Netflix あたりは、実はITセクターじゃありません!
それぞれ商売は全然違いますが、情報技術をふんだんに駆使したプラットホームを基に利用者にサービスを提供しているという意味で、広くIT企業と言えるんではないかと思うんですが、指数の分類的にはITセクターに入らないんですね。
よくGAFAとかGAFAMとかFAANGとか米国の巨大ハイテク企業(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft、Netflix)がひとくくりにされていますが、実はこの中でITセクターと呼べるのはMicrosoftとAppleだけ。ほかは一般消費財や通信(コミュニケーション)のセクターに分類されているのです。
Amazonは先述した通り「一般消費財」。そしてFacebookやGoogle(Alphabet)、動画配信サービスのNetflixは「通信(コミュニケーション)」というセクターに分類されています。
ま、Amazon以外はしっくりきますが、、、。
こうした分類は、S&P500指数を算出管理するS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社によるもので、この指数は大きく11のセクターに分けられています(前章の円グラフ参照)。
これらの巨大企業のセクターが分散されているのは、おそらく1つのセクターが突出しないようにとの配慮なのかもしれません(わかりにくいけど)。
あと、中国の巨大企業Baidu(百度、バイドゥ)、Alibaba(阿里巴巴集団、アリババ)、Tencent(騰訊、テンセント)の3社も米国の証券市場に普通株式や米国預託証券(ADR)として上場しているため、投信やETFによっては米国IT株またはハイテク株に勘定していることがあります。この3社の頭文字を取って「BAT」と呼ばれてますね。
Who’s BAT?

ちなみにBaiduは中国版Googleと言われる検索エンジンの運営会社、Alibabaは中国版Amazonと言われるECサイトの運営会社、Tencentはネット関連の総合サービス事業の会社です。Alibabaは孫正義率いるソフトバンクグループでもありますね。
では、「ハイテク」企業とは何でしょうか。
よくITと混同されがちですが、こちらはもう少し広い概念で、ITも含めた高度(High)なテクノロジーを必要とする会社と理解しています。
ITに入らないハイテクとは、エレクトロニクスとかバイオテクノロジーとかでしょうか。門外漢なので間違ってたらご指摘ください。
なんでこんなややこしい話をしたかというと、この記事ではこのへんの銘柄全部ひっくるめて、とりあえずハイテク企業、ハイテク株と称しているって言いたかったからです。
ここでは「ハイテク企業」=「IT企業を含めコンピューター処理の高い技術を伴ったりそんな部品使ったりした商品やサービスを提供したりしている会社」くらいにざっくり考えることにします。細かいこというときりがないんで、、、。
まあそんなに厳密にセクター分類なんかできなくても困らないのがごちゃまぜETFのいいところ(笑)。
ハイテク株に投資する米国ETF5選
ではこれから、ハイテクがらみのETFにはどんなものがあるのか、代表的な商品を見ていくことにしましょう。紹介した銘柄の詳細比較は記事の一番最後の方で掲載します。
ITと通信、他セクターにも適度に分散している「QQQ」
まず筆頭に挙げられるのがQQQ(通称:キューブス)と呼ばれるETFです。インベスコ社の解説ページはこちら(英語です)。
正式名称は「インベスコQQQトラスト・シリーズ1(Invesco QQQ Trust Series 1)」。ナスダックに上場している時価総額が最大規模の非金融企業100社を含む「ナスダック100指数」に連動した投資成果を目指すETF。指数はコンピューターハードウエア ・ソフトウエア、通信、小売り・卸売り、貿易、バイオテクノロジーなどの主要業界の株価を反映しているが、ハイテク産業の比率がかなり高い。
基本データ

QQQすなわちNASDAQ100のセクター構成はこんな感じです。

ITセクターが全体の46%を占めているのがわかります(2020年5月1日現在)。
通信・消費財の比率も高いですが、これは前章で挙げた時価総額の大きいハイテク企業が入っているからですね。ハイテク以外にも他のナスダック上場企業に分散されているため、インデックス投資をしている投資家の人気も高い商品です。
記事の終わり近くに10年チャートを出してますが、一番騰落率が高かったのがこの「キューブス」でした。インデックスの中では圧倒的な安定感+成長力です。
経費率は0.2%。0.1以下が多いバンガードのETFより若干高めですが、成長力を考えたら、あるかなきかの微差というところ。
IT企業に集中するならバンガードの「VGT」
続いては、さきほどから何度も出てきているバンガード社のVGTです。解説ページはこちら。
正式名称は「バンガード・米国情報技術セクターETF(VANGUARD INFORMATION TECHNOLOGY ETF)」。米国の情報技術セクターの大型株、中型株、小型株を網羅した「MSCI USインベスタブル・マーケット・情報技術25/50インデックス」という指数への連動を目指したETF。ソフトウェア、情報機器、受託サービス、半導体を中心に321銘柄ものIT企業に投資しているが、マイクロソフトとアップルだけで全体の35%を占めている。
基本データ

ちなみにMSCIとは米国の金融会社モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルのことで、世界中のあらゆる市場あらゆる銘柄をもとに指数をつくり、算出公表している会社です。
経費率は0.1%とこちらも格安。さすがバンガードですね。
通信セクターに投資するなら「VOX」
こちらもすでに取り上げたバンガード社のVOX。紹介ページはこちら。
正式名称は「バンガード・米国電気通信サービス・セクターETF(VANGUARD TELECOMMUNICATION SERVICES ETF)」。こちらは米国の電気通信・サービス・セクターの大型株、中型株、小型株に投資するMSCI USインベスタブル・マーケット・電気通信サービス25/50インデックスへの連動を目指すETF。主に固定回線、携帯無線、ワイヤレス、広帯域通信、光ファイバー・ケーブルネットワークを通じて通信サービスを提供する企業113銘柄で構成されている。
基本データ

メディアサービスやエンタメなど、アプリやホームページを通してふだんから身近に接している銘柄が多いのがこちらのETF。代表銘柄はGoogle(Alphabet)、Facebook、Netflix、ディズニー、AT&Tなど。
この通信セクターをさらに分類すると以下の通り。

シェアでいえば、上に挙げた5銘柄で過半数を占める感じです。その中で目に付いて株価が急上昇しているのはNetflixくらい。全体の成長は鈍化傾向にあり、指数全体はVOOにずっとアンダーパフォームして(下回って)います(最終章のチャート参照)。
ただ、代表銘柄には日本人が日ごろサービスに慣れ親しんでいるグローバル企業も多く、まとめて持っておきたいという需要もあるかもしれません。もちろん、新しい企業が台頭してきてセクター全体がこれから伸びる余地も十分あると思います。
経費率は0.1%とこちらも格安です。
S&P500のハイテク銘柄投資なら「XLK」
続いてはXLKを紹介します。ステート・ストリート社のブランドSPDR(スパイダー)シリーズの1つですね。紹介ページはこちら。
正式名称は「テクノロジー・セレクト・セクター SPDR ファンド(TECHNOLOGY SELECT SECTOR SPDR FUND)」。世界三大投資運用会社の1つ、ステートストリートのETF。こちらはMSCIではなくS&Pの「S&Pテクノロジー・セレクト・セクター・インデックス」という指数への連動を目指す。設定は1998年12月。S&P500の中から71の銘柄に絞っており、その分上位のマイクロソフトやアップルの構成比が他のETFなどより高めとなっている。
基本データ

HP記載のセクター別構成比はこんな感じです。

まあ、上位の銘柄構成見るとバンガードのVGTとほとんど変わりませんが、ファンドの歴史はこちらの方が古いし、より銘柄数が絞られているのが特徴です。
米国であまたあるETFの中で、最もマイクロソフトとアップルの保有比率が高い商品の1つと言えるでしょう。
経費率は0.13%でこちらも格安。バンガードのETFより0.03高いですが、100万円買って年300円の違いです。
ITと通信にバランスのいい「IYW」
続いては「iShares(アイシェアーズ)」シリーズのハイテクETF「IYW」が。商品情報はこちら(英語です)。
正式名称は「iシェアーズ米国テクノロジーETF(iShares U.S. Technology ETF)」。世界三大資産運用会社筆頭のブラックロックのETF。ダウ・ジョーンズ米国テクノロジー・キャップト指数に連動するよう、米国市場のテクノロジーセクターを中心に154銘柄に投資する。情報技術と通信の両者にバランスよく銘柄が配分されている。
基本データ
- 基準価額 234.21ドル(5月5日現在)
- 純資産総額 4,880百万米ドル
- 経費率 0.42%
- 分配金 年4回
- 直近分配金 0.725305ドル(2020年3月)
今回の記事の趣旨に一番合いそうなETFを見つけた!とぬか喜びしたのもつかのま。実はこの商品、日本のネット証券で発売されてません!
SBI、楽天、そして米国株に強いマネックス証券でも取り扱いがないようなので、ここでの掲載は見送ろうと思ったんですが、参考までに挙げておきました。
各セクターの構成比(%)はこんな感じです。公式サイトより(英語ですまぬ)。
Software & Services
|
43.22 |
Tech Hardware & Equip
|
24.02 |
Semiconductors & Semiconductor Equipment
|
19.92 |
Media & Entertainment
|
10.53 |
Health Care Equipment & Services
|
0.81 |
Retailing
|
0.80 |
Telecommunications
|
0.27 |
Cash and/or Derivatives
|
0.22 |
Consumer Durables
|
0.20 |
経費率は0.42%と少しだけお高め。ネット証券で取り扱いがないのはこの経費率にあるのかもしれませんが、パフォーマンスを考えたら微差ではないかと思うのですがどうでしょうか。
定額積立に適した米国ハイテク株投資信託3選
続いて日本で買えるインデックス投資信託をいくつかピックアップしておきましょう。ETFに比べたら信託報酬などがかかりますが、天引きで定額定期積立できるのが僕のようなずぼらな人間には魅力です。
ゴールドマンサックスの「GSテクノロジー株式」投信
まずはこれ、ゴールドマンサックス・アセットマネジメントの「netWIN GSテクノロジー株式ファンド」(為替ヘッジ有り・なし)。解説ページはこちら。目論見書はこちら。
主にテクノロジーの発展により恩恵を受ける米国企業の株式に投資するファンド。為替ヘッジありのAコースとヘッジなしのBコースがある。個別銘柄の分析を重視したボトムアップ手法により銘柄選択を行っている。2019年11月に設定20周年を迎え、2020年3月に「netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンド」から現在の名称に変更した。年2回配当。
基本データ
- 純資産 394,954百万円
- 設定来高値 18,353円 (20/02/20)
- 設定来安値 2,850円 (02/10/10)
- 基準価額 25,459円(4月末現在、配当金再投資価額)
- 信託報酬 2.09%
銘柄を数年おきに入れ替え、その時々で旬のハイテク株を取り入れているのが特徴のいわゆる「アクティブファンド」ですね。ちょっと見にくいかもしれませんが、以下は組み入れ上位5銘柄の変遷と価格の推移を示したチャートです。

設定から数年間は下がり続けましたが、リーマンショックで底をつけてからの躍進は目覚ましいです。
過去10年に絞った基準価額の推移は以下。紺が基準価額、水色のラインが配当金を再投資に回した場合の伸び率です。

2010年5月1日(基準価額6,206円)から4月末現在(同16,466円、配当再投資25,459円)まで、基準価額で約2.6倍、配当再投資で約4.1倍に膨れ上がっています。超右肩上がり!
「R&Iファンド大賞」では北米株式部門で3年連続受賞、2年続けて最優秀ファンド賞を受賞しています。
モーニングスターの格付けも5つ星と良好。2020年4月の前月比純資産増加額がSBIの国際株式・北米投信部門で第1位!でした。
ひっかかるとすれば信託報酬率の年2.09%。総経費率はさらに上がります。やはりETFと比べるとお高めではありますね。ここをどう考えるか。ここ10年の伸びがこの先も続くなら安いもんですが、、、。
有名ハイテク株10銘柄の「大和 FANG+」投信
次に紹介するのは大和アセットマネジメント「iFreeNEXT FANG+インデックス投信」です。紹介ページはこちら。目論見書はこちら。
ICE Data Indices社が算出公表している「NYSE FANG+」指数に連動するように作られた投信。大和アセットによれば、これは「次世代テクノロジーをベースに、グローバルな現代社会において人々の生活に大きな影響力を持ち、高い知名度を有する米国上場企業を対象に構成された株価指数」。ADRを含めて全10銘柄に均等に投資し、四半期ベースでリバランスして均等に戻すというユニークさが特徴。
基本データ
- 純資産 2,688百万円
- 設定来高値 15,196円 (20/02/20)
- 設定来安値 8,044円 (18/12/25)
- 基準価額 13,282円(4月末現在)
- 信託報酬 0.7755%
実は今回紹介するETF・投信の中で一番ユニークで面白いんじゃないかと思ったのがこの投信です。2018年1月にできた投信なので、上のGS投信よりだいぶ新しいですね。
ただ指数自体はもっと前からあります。下図は少し前のものですが、約5年分のチャートです(ファンドの公式ページより)。緑の線が当該ファンド。ナスダック総合(オレンジ)、S&P500(黒線)がはるか下に霞んで見えるほどのハイパフォーマンスです。

リアルタイムの指数の値動きはこちら(ICEのサイトより)。
では「次世代テクノロジー」を使った「グローバル」な銘柄とは何か。それが次の10銘柄です(当該サイトより)。

このたった10銘柄だけを追った指数なんですね。
投信(指数)はこれらの銘柄に均等に投資(各10%ずつ)したポートフォリオで構成されていて、四半期(3・6・9・12月)ごとに等金額となるようリバランスします。
記事の最後の構成比の表で見てほしいんですが、今だとテスラやネットフリックスが上がっていて、比率が大きくなっています。このふくらんだ分をリバランスしてくれるわけですね。これが長い目で見て吉と出るのか凶と出るのか。
構成銘柄のうち、電気自動車のテスラが日常生活に影響するかといわれると謎ですし、NVIDIAを入れるならMicrosoftも入れないと変じゃん?と考えてしまいます。
あと、上でも説明した中国巨大企業「BAT」のうちの2社の米国預託証券(ADR)が入っているのも「え?なんで?」と思ってしまいます。米国民の生活にほぼ関係ないし、そんなにグローバルでもないんで。ただし中国の人口を考えたら利用者はものすごい数なんで、それをもってグローバルと言ってもいいのかもしれません。
まあ、この10銘柄のチョイスの是非はともかく、名前だけ見ると「みんなが知ってる有名ハイテク株や~」って感じはします。
僕から見たら10銘柄でも分散しすぎな気もしますが、安全志向のインデックス投資ファンにはあやうい数に思えるかもしれません。
ただ、コロナショックの暴落前まではいい感じで伸びてましたんで、戻り相場ではそこそこ上がっていくのではないでしょうか。
信託報酬は0.7755%。10銘柄しか動かさないわりには高いような気もしますが、まあ許容範囲ですかね。上のGSハイテク投信に比べれば安いです。
2020年8月30日追記:
ここひと月ほどで、このETFが証券会社やマスコミで大きくクローズアップされています。
8月25日にはSBI証券で、
「世界をリードする10銘柄に厳選投資!NYSE FANG+指数を対象とするファンドをチェック」
とこの投信をクローズアップするレポート記事が掲載されました。
成績もさることながら、注目されるのは「シャープレシオ」の高さです。
シャープレシオとは、投信などの運用成果を示す指標で、とったリスクの大きさに対してどれだけのリターンを得られたかを計算したもので、1を超えて高くなるほど成績がいいことを示します。
以下は日経新聞の記事からの転載ですが、この1年のシャープレシオが先進国株式の投信ではナンバーワンだったようです。リターンも高いですね。

QQQがベンチマークの「iFreeNEXT NASDAQ100」投信
最後にもう1つ。同じ大和アセットの「 大和-iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」という投資信託も知っておくといいでしょう。紹介ページはこちら。目論見書はこちら。
基本データ
- 純資産 3,095百万円
- 設定来高値 12,807円 (20/02/20)
- 設定来安値 7,664円 (18/12/25)
- 基準価額 11,348円(4月末現在)
- 信託報酬 0.495%
目論見書を見ればおわかりの通り、これはほぼ上で紹介したQQQを買い付けるだけ(円ベースということで微妙なリバランスは取ってますが)の投信です。なので詳細は省略。
信託報酬は0.495%とまずまずお手頃なので、QQQを毎月買い付けるのが面倒だとか忘れそうという方には定額定期積立に重宝かもしれません。
どう買う?単独でも組み合わせてもOK!
さて、ここまでETF5本、投信3本の計8本のファンドを見てきました。
これらをどう買ったらいいのかを考えていくことにしましょう。
基本的には、自分がこの先まだまだ伸びると思う銘柄を高めに配分しているファンドを買うというのが一番大事です。過去によく伸びているからと言って、未来もその伸び率が続くわけではありません。
まあ、分散のきいたインデックスでもあるし、同様のファンドならそんなに差はないと思います。
ただ、パフォーマンスにはそれなりに差が出ています。
紹介した8本のうち、大和ナスダック100(QQQと同じ)とGSテクノロジー(配当再投資チャートなし)を除く6本のファンドとVOO(S&P500)の騰落率の直近1年余の推移を1つのチャートにまとめてみました(2019年年初~2020年4月末)。

見えにくいかもしれませんが、VOO(赤)を基準にすると、4月末現在でそれより上昇率が低いのはVOX(紫)だけ。それも微差で、あとは軒並みこれより高いパフォーマンスを示しています。
高い順に並べるとこんな感じ。
- XLK(紫)41.8%増、
- IYW(緑)40.1%増
- FANG+(ピンク=円ベース)40%増
- VGT(オレンジ)39%増
- GSテクノロジー 36.9%増(配当再投資は46.1%)
- QQQ(薄い紺)33.9%増
- VOO(赤)9.6%増
- VOX(薄い紫)9.0%増
チャートにはない5位の「GSテクノロジー」投信は、2019年年初12,030円→2020年4月末現在16,466円で計算(ヘッジなし、基準価額)。直近は分配金が年1000円(500円×2回)もあり、それを再投資したとすれば46.1%増と一躍トップに躍り出ます。
VOOもVOXもコロナショックを経てなお10%近い伸びなので、インデックスとしては十分なパフォーマンスではありますが、ほかが優秀すぎるのです。
続いては、ファンド7本の保有株の構成銘柄上位10社の比率です。

濃いオレンジで塗りつぶした数値は、同一銘柄を比較したとき最も高い保有率のファンドはどれかを示しています。
ハイテクと関係のない飲料メーカーのペプシコ(PEP)が一番下にありますが、これはQQQの上位10銘柄の1つです。銘柄名とティッカー、セクターの一覧は以下でご確認ください。

こうして見ると人気のQQQはやはり分散しすぎてメリハリがないように見えます。が、ITと通信(コミュニケーション)両方の銘柄にバランスよく投資配分され、長期10年の成績だと2位のVGT(約340%増=4.4倍)を頭差抜いて一番高いリターン(約350%増=4.5倍)となっています(下記10年チャート参照)。

これはつまり、ハイテク株に限らず、ナスダック100自体が順調に高く成長しているということです。
安定志向の方ならやはりこれを買うか、定額積立するなら大和の「iFreeNEXT NASDAQ100」でいいでしょう。
もう少しリスクを負ってもいいなら、単独だとIYW(311%増=約4.1倍)かGSテクノロジー投信(約4.1倍、個別解説参照)か。どちらもQQQのいいとこ取りの魅力があります。余計なセクターを買っていないのもいい。IYWは今のところ日本のネット証券で買えませんので、同じ成績のGSでしょうか。
でも経費率の安いETFでまとめて購入、あるいは定期買付していくならXLK(302%増)も悪くありません。
あとは組み合わせで買うという手もあります。
銘柄やセクターをダブらせたくないなら、VGT+VOXですね。この組み合わせ買ってる人は意外と多いかもしれません。
あとITセクターのVGTかXLKに、集中投資の大和FANGを組み合わせるのもよさそうです。大和FANGは、すでにVOOとかVTIとかを積み立てている人が追加するのにもいい気がします。分散+分散じゃつまらないので。
チャートの期間を5年にしてみると、今度はこの大和FANG+ のパフォーマンスが一番いいのがわかります。直近5年で一番上がっている銘柄を集中的に仕込んでますからね。

僕個人はといいますと、やはり大和FANGに惹かれています。持っておきたいなあと思うハイテクグローバル成長企業がほぼ網羅されているんで。
でもかなりとんがったファンドなので、分散のきいたVOOと組み合わせるというのがおすすめでしょうか。
さて、今回の米国ハイテクファンドの特集記事、いかがだったでしょうか。
こういうの見ると、100も200も500も銘柄を抱えるインデックスファンドがいかに効率悪い投資なのかよくわかると思います。VTIなんて3600社ですからね。成長も見込めず配当も期待できない会社にもいっぱい投資してるみたいなもんです。
最後にもっと意地悪なチャートもお見せします。

これは大和FANG+に組み込まれたハイテク銘柄10本の個別チャートとQQQを比較したものです。
ファンドの中では10年で最も高いパフォーマンスだったQQQ(5倍超)もここでは下から数えて3番目。下位2つは中国のバイドゥ(BIDU)とアリババ(BABA)でした。
おおよそですが、テスラが34倍、エヌヴィディアは30倍、Netflix28倍、Amazon22倍、Apple9倍、Microsoft8倍、Facebook7倍、Google6倍。QQQはその次ですからね。
インデックス投資がここでは真の「敗者のゲーム」となっているわけです。
みなさんもそのへん考えてみてください。
とはいえ、なんかの加減で一気に落ち込むのもハイテク銘柄の怖いところ。人気が集中してバブルにもなりやすいですし。
さらに言えば、今の米国株半値戻しは、コロナ収束の兆しというよりトランプ政権のとてつもなく巨大なコロナ対策(経済・金融政策)の賜物という側面もあり、実体経済と大幅にかけ離れている可能性もあります。
歴史的な失業者の急増と広範にわたる企業の業績悪化が続くと、また投資市場から資金が抜け出し、好業績の株も売られかねません。
なので、一気に買ってしまうのではなく、様子を見て少しづつ買っていく方がまだいい気がしています。ドルコスト平均法を生かしつつ(以下の記事を参考に)。

2020年9月追記:
実際に僕が投資したハイテク株や投信は以下の通り。
4月 NFLX、AMZN購入(巣ごもり銘柄として)
5月 大和FANG投信定額定期積立開始
6月 「ハイテクMANTAN」と称して個別6銘柄に集中投資
(内訳はMSFT、APPL、NFLX、TSLA、AMZN、NVDA)
8月 個別株を徐々に利確
(上昇が止まり、大和FANGとパフォーマンスが変わらなくなってきた銘柄)
9月 APPLとTSLAを利確(これにより個別株はすべて売却)
同 大和FANGに半分付け替え、定額定期積立再開
という感じです。6月の個別買いと8月中の利確は結果的に大成功でしたが、9月の大和FANGの付け替えが少し早すぎたため、こちらが少し含み損になってしまいました。しかし、定期積立も再開したので、ドルコスト平均法ですぐにプラスになっていくと見ています。
というわけで、投資は慎重に。
最終的には自己の判断でお願いします。
- 米国市場をけん引しているのがハイテク株なのは間違いない
- ハイテクファンドはS&P500をはるかに凌駕するハイパフォーマンス
- ETFならQQQ、VGT、XLK
- 投信ならGSテクノロジーか大和FANG+
- 分散か集中か、組み合わせてもよし
- コロナの影響はまだ続くので投資は慎重に
- 投資時期を分けて少しずつ、ドルコスト平均法を生かして
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