ETF研究

米国ハイテク銘柄に投資するおすすめ投信・ETF11選徹底比較

 

ぐれあむ勉
ぐれあむ勉
こんにちは、ぐれあむです!今日も投資の勉強していきましょう!
ダウの犬
ダウの犬
眠いからいや

今日はアメリカ株の勉強をします。

といっても、個別銘柄はなかなかここでは推奨しにくいんで、ハイテク銘柄のETF(上場投資信託)や投資信託の話です。

成長力がハンパない米国ITセクター(業種)や人気ハイテクの銘柄に投資したい人も、1株1株買うとそれなりに値が張るので、どれを買ったらいいか迷いますよね。

そこで、少ない資金でハイテク株全体をまるっと買えるおすすめファンドを紹介しようという試みです。比較チャートや主要銘柄の保有比率の比較表も最後の方で掲載してますのでぜひご覧ください。

では、総計14,000字超!「米国ハイテク株投信・ETFのおすすめ11選」はりきっていきましょう!

長ぇぇぇぇぇわぁ。途中で寝てまう
寝ちゃダメ

 

米国経済をけん引するのはハイテク銘柄

 

まずは下のチャートをごらんください。

セクターETF2020〜

これはステートストリート社の代表的なセクター別ETFの2020年初から2021年4月までの騰落を示しています。

セクターETFをくわしく知りたい方はこちらの記事をお読みください↓↓↓

米国株のセクターはこう覚える!2023最新構成銘柄とETFを徹底解説米国株の11セクターとセクターETF、およびそれぞれの代表的銘柄の構成比などを徹底解説しました。ヒートマップの見方、GICSとICBの2つの分類基準、セクターローテーションなど、米国株投資に欠かせない基礎知識もあわせて掲載。...

 

真ん中の赤い線が米国を代表する大型株500社のS&P500指数です。

これを上回って一番高く伸びているオレンジの線は、後ほど紹介するIT(情報通信)セクターのXLK、その次のピンク線は一般消費財セクターのXLY、水色が通信サービスのXLCです。

XLYの構成銘柄で最も大きいのは、ネット販売・クラウドサービスの巨人Amazon、それに続くのが電気自動車の先駆テスラです。

またXLCは、世界最大の検索エンジンGoogleを運営するAlphbet、そして世界最大のSNSサービスであるFacebookの2社で4割を占めますから、こちらもハイテク関連の一角と言っていいでしょう。

 

原油の需要減が響いたエネルギーセクターのXLE(チャート一番下の茶色線)が▲20%と低迷している以外は、11セクター中10セクターがすべてプラスに転化しています。

中でもXLKは+50%、XLYとXLCは+40%と大きく伸びています。これらのETFは、2020年3月のコロナショックの底から見たら騰落率が+90〜100%、つまり2倍前後に価格が高騰しています。

S&P500はあらゆるアクティブ投信が目標としながら、その9割が負けを喫しているインデックスですが、XLKやXLY、XLCはこれを大きくアウトパフォームしています

そう考えると、コロナショック後に米国株をけん引してきたのがハイテク関連だったことがわかると思います。

 

ちなみにチャート期間を10年に引きのばしても結果は同じです。いや、ハイテクセクターとそれ以外のパフォーマンスの差はもっと広がっています。

セクターETF2011〜

*XLCは設定年2018年なので10年スパンだとパフォーマンスは下になりますが、3年チャートでは堂々の3位です。

*これ以外にS&P500を上回っているのが、ヘルスケアセクターのXLV(緑色の線)です。ワクチン株でも知られる世界的な製薬大手のファイザーやジョンソン&ジョンソン、メルクなど高収益企業が伸びていますね。

 

S&P500に占める比率はこれら高く伸びてきたセクターが大きな割合を占めています。このうちハイテク関連は、IT20%、通信サービス(Comunication Services)と一般消費財(Consumer Discretionary)が各10%前後で、合計すると約40%を占めます。

sp500セクター別構成比率

全体的に見ても成長度の高いS&P500指数銘柄ですが、セクター別に見ると微妙に成績が異なるのがおわかりいただけたでしょうか。

もしS&P500指数をベンチマークとするETF(ヴァンガード社のVOOなど)を購入する場合、分散は効いているものの、足を引っ張る他セクターの銘柄にもお金をつぎこんでいることになります。

ちょっとモヤっとしますよね
イラっと、やろ

 

そこで、成長産業であるITセクターや人気ハイテク株だけに集中投資できないか、そういうファンドってないの?というのが今回の記事の主旨です。

 

Amazon や Google はITセクターじゃない?

 

個別のETFや投資信託を紹介していく前に、ITとかハイテクという言葉の定義について考えておきたいと思います(このへん読むの面倒な人は飛ばしてください)。

まずIT(情報技術)産業とはどんな分野かというと、

  • テクノロジー・ソフトウェアやサービス
  • テクノロジー・ハードウェア
  • 半導体・半導体製造機器

という主にこの3つのカテゴリーを指します。

ITとはInformation Technology(情報技術)のことなので、「情報」を集め、加工し、伝達したり保存したりする技術全般にかかわるテクノロジーということでしょう。

米国の代表的なIT企業といえば、Microsoft、Appleはわかりやすいですね。前者はWindowsというソフトウェア、後者は携帯電話のiPhoneというハードウェアを核とした製造・サービスの会社です。

しかし、米国テクノロジーの代表的存在であるGoogle(運営会社の社名はAlphabet)、Facebook、Amazon、Netflix あたりは、実はITセクターじゃありません。

それぞれ商売は異なりますが、情報技術をふんだんに駆使したプラットホームを基にサービスを提供しているという意味で、広くIT企業と言えるんではないかと思うんですが、分類的にはITセクターに入らないんですね。

これけっこう驚きじゃないです?
前の章でもう知ってた

 

よくGAFAとかGAFAMとかFAANGとか米国の巨大ハイテク企業(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft、Netflix)がひとくくりにされていますが、実はこの中でIT銘柄と呼べるのはMicrosoftとAppleだけ。ほかは一般消費財や通信サービスに分類されているのです。

血統付きも雑種も猫は猫やけどな
ごもっとも

 

Amazonは先述した通り「一般消費財」。そしてFacebookやGoogle(Alphabet)、動画配信サービスのNetflixは「通信サービス」に分類されています。

ま、Amazon以外はしっくりきますが、、、。

 

こうしたセクター分散は、S&P500を算出管理するS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社によるもの。おそらく、巨大ハイテク企業が1つのセクターに集中して突出するのを防ぐための配慮でしょうね。

なにせGAFAM5社の時価総額合計が東証一部の2170社分の時価総額を抜いちゃったそうなんで
へえ、、、

 

ハイテク株って何?

 

分類はともかく、GAFAMなどはITでなく「ハイテク企業」と呼ばれることが多いです。

ではこの「ハイテク企業」とは何でしょうか。

 

よくITと混同されがちですが、こちらはもう少し広い概念で、「ITも含めた高度(High)なテクノロジーを必要とする企業」と理解しています。

一方、同じハイテクを駆使する企業でも、バイオテクノロジーやエレクトロニクス(電子デバイス)などは「ハイテク企業」のくくりには入らないようです。このへん門外漢なので正確なところはよくわかりませんけど。

 

あと、米国の証券市場に普通株式や米国預託証券(ADR)として上場している中国の巨大企、Baidu(百度、バイドゥ)、Alibaba(阿里巴巴集団、アリババ)、Tencent(騰訊、テンセント)の3社も、投信やETFによってはハイテク株として組み入れていることがあります。

Baiduは中国版Googleと言われる検索エンジンの運営会社、Alibabaは中国版Amazonと言われるECサイトの運営会社、Tencentはネット関連の総合サービス事業の会社です。Alibabaは孫正義氏率いるソフトバンクグループでもあります。

この3社の頭文字を取って「BAT」と呼ばれたりします。

Who’s BAT?

こうもり

 

 

ITの定義とかハイテクの定義とか、なんでこんなややこしい話をしたかというと、この記事ではこれらの銘柄を全部ひっくるめて、とりあえず「ハイテク企業」「ハイテク株」と称してますよ、とお断りしたかったからです。

ここでは「ハイテク企業」=「IT企業を含めコンピューター処理の高い技術を伴ったりそんな部品使ったりした商品やサービスを提供したりしている会社」くらいにざっくりと考えてください。細かいこというときりがないんで、、、。

まあそんなに分類を気にしなくても困らないのがごちゃまぜETFのいいところですけどね。

要するにいいわけやな
あいまいな日本のわたしw

 

ハイテク株に投資する米国ETF 5+2選

 

前段が長くなりましたが、これからハイテク関連の代表的なETFや投資信託を紹介していきましょう。記事の最後の方で、これから紹介する銘柄の比較や買い方なども書いていますのであわせて参考にしてください。

やっと本題かいな

 

ITと通信、他セクターにも適度に分散している「QQQ」

 

まず筆頭に挙げられるのが「QQQ(通称:キューブス)」と呼ばれるインベスコ社のETFです。解説ページはこちら(英語です)。

QQQとは

正式名称は「インベスコQQQトラスト・シリーズ1(Invesco QQQ Trust Series 1)」。ナスダックに上場している時価総額が最大規模の非金融企業100社を含む「ナスダック100指数」に連動した投資成果を目指すETF。指数はコンピューターハードウエア ・ソフトウエア、通信、小売り・卸売り、貿易、バイオテクノロジーなどの主要業界の株価を反映しているが、ハイテク産業の比率がかなり高い。

基本データ(SBI証券の当該ページより)

QQQ

 

QQQ(すなわちNASDAQ100)のセクター構成と構成銘柄上位はこんな感じです(ETF.comより)。

QQQ

テクノロジーが全体の63%を占めているのがわかります(2021年4月現在)。分類方法が若干異なるため、ここには通信サービスの銘柄も含まれます。

次に比率が大きいのが一般消費財(Consumer Cyclicals)で、ここは先述した通りAmazonやテスラなど時価総額の大きいハイテク企業が入っています。

QQQのベンチマークであるナスダック100は、有名ハイテク企業のほかバイオテックの企業も多く、適度に分散されている割には成長度が高いため、インデックス投資をしている投資家にかなり人気が高いです。

記事の終わり近くに10年チャートを出してますが、一番騰落率が高かったのがこの「キューブス」でした。インデックスの中では圧倒的な安定感+成長力があります。

経費率は0.2%。セクターETFの経費率は0.1%以下のものが多いので、若干高めに感じますが、成長力を考えたらあるかなきかの差といえます。

キューブスなんて呼び方聞かへんな
『株式投資の未来』でシーゲル教授が使ってましたよ〜

 

S&P500のハイテク銘柄投資なら XLK / VGT

 

続いては、さきほどから何度も出てきているXLKをご紹介します。ステートストリート社のETFブランド「SPDR(スパイダー)」のシリーズです。

XLKとは

正式名称は「テクノロジー・セレクト・セクター SPDR ファンド(TECHNOLOGY SELECT SECTOR SPDR FUND)」。世界三大投資運用会社の1つ、ステートストリートのETF。こちらはMSCIではなくS&Pの「S&Pテクノロジー・セレクト・セクター・インデックス」という指数への連動を目指す。設定は1998年12月。S&P500の中から71の銘柄に絞っており、その分上位のマイクロソフトやアップルの構成比が他のETFなどより高めとなっている。

基本データ(SBIの当該ページ

XLK

 

XLKをさらに細かく分類した構成比と構成銘柄上位はこんな感じです。AppleとMicrosoftだけで4割を占めています。あとは半導体関連が2割というところ。

XLK

ETFを構成する企業の組み入れ数は75銘柄です。同じセクターには大小400近い銘柄がありますが、こちらは時価総額の大きい「ラージキャップ」の資産クラスに絞られています。

さらに、AppleとMicrosoftの2銘柄だけで全体の4割を占めるのも特徴です。

 

このXLKとほぼ同じITセクターのETFとしては、バンガード社のVGTもあわせて紹介しておきましょう。

正式名称は「バンガード 米国情報技術セクター ETF」。こちらは大中小さまざまな資産クラスから320以上の銘柄を組み込んでいます。

VGT

経費率はXLKよりさらに低い0.1%ですが、基準価額がXLKの3倍近いので、個人の資金によっては買いにくいかもしれません。

XLKより分散をきかせたい場合はこちらがいいかもしれません。

 

通信セクターに投資するなら XLC / VOX

 

続いてもステートストリート社のSPDRシリーズから。通信サービスETFのXLCを紹介します。

XLCとは

正式名称は「コミュニケーション・サービス・セレクト・セクター SPDRファンド」。コミュニケーション・サービス・セレクト・セクター指数の価格と利回りのパフォーマンスに連動する投資成果を目指す。同ファンドは当該指数の少なくとも95%にあたる大型の27銘柄で構成している。

基本データ

XLC

 

この通信セクターのさらに細かい分類と構成上位銘柄は以下の通り。

XLC

代表銘柄はGoogle(Alphabet)、Facebook、Netflix、ディズニー、Twitterなど。SNSやエンタメなど、アプリやホームページを通して日本人も身近に接している銘柄が多いのがこちらのETFです。

大型株で構成していて、銘柄数は27とかなり絞られています。シェアでいえば、Google(クラスの異なるAlphabet2銘柄)とFacebookだけで4割近くを占めていますね。

日ごろサービスに慣れ親しんでいるグローバル企業も多いため、これらの銘柄をまとめて持っておきたいという需要にこたえてくれるETFだと思います。

 

これに対応するバンガードのセクターETFにはVOX。正式名称は「バンガード 米国通信サービスセクター ETF」です。

大小100前後の銘柄で構成されており、やはりXLCより分散をきかせたい場合はこちらがいいかもしれません。

VOX

 

 

ここまで、XLKにはVGT、XLCにはVOXと、SPDRシリーズに対応する同セクターのバンガードETFも取り上げました。

バンガードの方が分散がきいていると思われたかもしれませんが、実のところ、大型株の組み込み比率はそんなには変わりがなく、したがって両ETFのパフォーマンスもほとんど変わりません。

なので、より分散がきいて、ちょっとでも経費率が安いほうがいいと思えばバンガードのETFを買うのでもいいと思います。

そこは個人の好みでいいでしょう
なーんや

 

ITに通信サービスも加えた「IYW」

 

続いてはブラックロック社の「iShares(アイシェアーズ)」シリーズから、ハイテクETFのIYWをご紹介します。

IYWとは

正式名称は「iシェアーズ米国テクノロジーETF(iShares U.S. Technology ETF)」。世界三大資産運用会社筆頭のブラックロックのETF。ダウ・ジョーンズ米国テクノロジー・キャップト指数に連動するよう、米国市場のテクノロジーセクターを中心に150ほどの銘柄に投資する。情報技術と通信サービスの両セクターに銘柄が配分されているのが特徴。

基本データ

  • 基準価額 94.56ドル(2021年4月13日現在)
  • 純資産総額 6,900百万ドル
  • 経費率 0.42%
  • 分配金 年4回
  • 直近分配金 0.09ドル(2021年3月)

 

今回の記事の趣旨に一番合いそうなETFを見つけた!とぬか喜びしたのもつかのま、実はこの商品、日本のネット証券で発売されてませんでした!

なんや、、、
ざんねんむねん

 

SBI、楽天、そして米国株に強いマネックス証券でも取り扱いがないようなので、ここでの掲載は見送ろうと思ったんですが、参考までに挙げておきました。

細かなセクター構成比と組み入れ上位銘柄は以下の通りです。

IYW

 

IT関連が圧倒的で、Apple+Microsoftで35%を占めますが、Googleを9%、Facebookを5%近く保有しており、これ1つでIT+通信サービスに投資できる便利なハイテクETFとなっています。

ただし、経費率は0.42%と少しお高め。ネット証券で取り扱いがないのはこの経費率が理由なのかもしれませんね。

 

ハイテク中心にグロース株に投資する「VOOG」

 

ETFの最後にもう1つ、ハイテク専門というわけではないですが、ハイテク比率の高いグロース株のETF「VOOG」を紹介しておきます。

これは見ての通り、S&P500指数に連動するヴァンガード社のVOOの中からG(グロース)株だけに投資するETFです。商品ページの説明はこちら(英語ページです)。

VOOGとは

正式名称は「バンガード・S&P500グロースETF(VANGUARD S&P 500 GROWTH ETF)」。S&P500グロース指数のパフォーマンスへの連動を目指すETF。この指数は、S&P500指数の3年間の1株当たり利益成長率、3年間の1株当たり売上高成長率、モメンタム(12カ月間の株価変動)の3つの要素によって定義した大型のグロース株を対象とし、組み入れ銘柄数は約240。

 

基本データ

VOOG

 

銘柄数240はQQQの100銘柄より多く、VGTの320よりは少ないというところ。しかし、大型株のS&P500の中から240を選んでるので、1銘柄の平均時価総額が大きいということになります。

セクター比率と組み込み上位10銘柄はこんな感じです(ETF.comのVOOG概観ページより)。

VOOG

 

これを見れば、VOOGがほぼハイテクETFだとお分かりいただけるでしょうか。

QQQより分散が効いていて、なおかつハイテク含む成長株に投資をしたいという人におすすめできます。

これと逆のS&P500のバリュー株だけに投資する「VOOV」もあります

ぼーーぶ

 

定額積立に適した米国ハイテク株投資信託4選

 

続いて日本で買えるハイテク投資信託をいくつかピックアップしましょう。

投資信託はETFに比べると信託報酬が高いですが、100円から「定額定期積立」できるのが魅力です。

資産を増やす第一歩として、気に入ったハイテク投信を定額定期で買い始めるのもいいと思います。

 

ゴールドマンサックスの「GSテクノロジー株式」投信

 

まずはこれ、ゴールドマンサックス・アセットマネジメントの「netWIN GSテクノロジー株式ファンド」を紹介します。解説ページはこちら。目論見書はこちら

netWIN GSテクノロジー株式ファンド

主にテクノロジーの発展により恩恵を受ける米国企業の株式に投資するファンド。為替リスクを軽減するヘッジありのAコースとヘッジなしのBコースがある。個別銘柄の分析を重視したボトムアップ手法により銘柄選択を行っている。2019年11月に設定20周年を迎え、2020年3月に「netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンド」から現在の名称に変更した。年2回配当。

基本データ(Bコース)

  • 設定年 1999年11月
  • 純資産 700,427百万円
  • 基準価額 28,748円(2021年4月12日現在、配当金再投資価額)
  • 直近分配金 500円(2020年11月)
  • 信託報酬 2.09%

銘柄を数年おきに入れ替え、その時々で旬のハイテク株を取り入れているいわゆる「アクティブファンド」ですね。

為替ヘッジのあるコースも用意していますが、ここではほかに合わせてヘッジなしの数字を掲載します。

2021年4月現在の組み入れ銘柄上位は以下の通り。

GSハイテク投信

ちょっと見にくいかもしれませんが、以下は組み入れ上位5銘柄の変遷と価格の推移を示したチャートです。

GSハイテク

 

設定から数年間は米国のドットコムバブル崩壊もあって急落していますが、リーマンショックで底をつけてからの躍進は目覚ましいです。

過去10年の基準価額の推移は以下。紺が基準価額、水色のラインが分配金を再投資に回した場合の伸び率です。

GSハイテク投信2011〜

 

2011年4月13日(基準価額6,005円)から2021年4月13日現在(同23,773円、配当再投資38,747円)まで、基準価額で約3.9倍、配当再投資で約6.4倍に膨れ上がっています。超右肩上がり!

「R&Iファンド大賞」では北米株式部門で3年連続受賞、2年続けて最優秀ファンド賞を受賞しています。NETWIN表彰

モーニングスターの格付けも5つ星と良好。2020年4月の前月比純資産増加額がSBIの国際株式・北米投信部門で第1位!でした。

 

ひっかかるとすれば信託報酬率の年2.09%でしょうか。アクティブファンドなのでやはりETFと比べるとお高めではありますね。

あと、収益が低かった場合でも分配金を維持するため、基準価額が減価していく可能性もあります。ここをどう考えるか。

ここ10年の伸びがこの先も続くなら許容できる数字ではありますが、、、。

 

有名ハイテク株10銘柄の「大和 FANG+」投信

 

次に紹介するのは大和アセットマネジメント「iFreeNEXT FANG+インデックス投信」です。紹介ページはこちら。目論見書はこちら

iFreeNEXT FANG+インデックス投信

ICE Data Indices社が算出公表している「NYSE FANG+」指数に連動するように作られた投信。大和アセットによれば、これは「次世代テクノロジーをベースに、グローバルな現代社会において人々の生活に大きな影響力を持ち、高い知名度を有する米国上場企業を対象に構成された株価指数」。ADRを含めて全10銘柄に均等に投資し、四半期ベースでリバランスして均等に戻すというユニークさが特徴。

 

基本データ

  • 設定年 2018年1月
  • 純資産 18,183百万円
  • 基準価額 26,712円(2021年4月13日現在)
  • 信託報酬 0.7755%
  • 直近分配金 0円

実は今回紹介するETF・投信の中で一番ユニークで面白いんじゃないかと思ったのがこの投信です。2018年にできた投信なので、上のGS投信よりだいぶ新しいですね。

ただ指数自体はもっと前からあります。下図は約6年分のチャートです(ファンドの公式ページより)。緑の線がこのファンドがベンチマークとする「NYSE FANG+」指数。ナスダック総合(オレンジ)、S&P500(黒線)がはるか下に見えるハイパフォーマンスです。

NYSEFANG+指数

リアルタイムの指数の値動きはこちら(ICEのサイトより)。

では「次世代テクノロジー」を使った「グローバル」な銘柄とは何か。それが次の10銘柄です(当該サイトより)。

NYSEFANG+

 

このたった10銘柄だけを追った指数なんですね。

投信(指数)はこれらの銘柄に均等に投資(各10%ずつ)したポートフォリオで構成されていて、四半期(3・6・9・12月)ごとに等金額となるようリバランスします

2020年はテスラが大きく上がりましたが、この銘柄でふくらんだ分をリバランスしてほかの銘柄も均等にくれるわけですね。これが長い目で見て吉と出るのか凶と出るのか。

構成銘柄のうち、電気自動車のテスラが日常生活に影響するかといわれると謎ですし、NVIDIAを入れるならMicrosoftも入れないと変じゃん?と考えてしまいます。

あと、先述した中国巨大企業「BAT」のうちの2社の米国預託証券(ADR)が入っているのも「え?なんで?」と思ってしまいます。米国民の生活にほぼ関係ないし、そんなにグローバルでもないんで。ただし中国の人口を考えたら利用者はものすごい数なんで、それをもってグローバルと言ってもいいのかもしれません。

 

まあ、この10銘柄のチョイスの是非はともかく、名前だけ見ると「みんなが知ってる有名ハイテク株や~」って感じはします。

10銘柄という絞りに絞った銘柄数が僕好みっではありますが、安全志向のインデックス投資ファンにはリスクの大きいあやうい数に思えるかもしれません。

 

信託報酬は0.7755%。10銘柄しか動かさないわりには高いような気もしますが、こちらも上昇率を考えたら許容範囲でしょうか。上のGSハイテク投信に比べれば安いです。

あと、分配金を出さずに勝手に配当再投資してくれるのも僕好みです。

このファンドは2020年夏頃に証券会社やマスコミで大きくクローズアップされました。

SBI証券は

世界をリードする10銘柄に厳選投資!NYSE FANG+指数を対象とするファンドをチェック

とクローズアップするレポート記事を掲載しました。

成績もさることながら、注目されるのは「シャープレシオ」の高さです。

シャープレシオとは、投信などの運用成果を示す指標で、とったリスクの大きさに対してどれだけのリターンを得られたかを計算したもので、1を超えて高くなるほど成績がいいことを示します。

以下は日経新聞の記事からの転載ですが、2019年6月〜2020年6月の1年のシャープレシオが先進国株式の投信ではナンバーワンでした。リターンも高いですね。

大和FANG シャープレシオ

 

 

NASDAQ100がベンチマークの投信2本

 

最後にあと2つ。大和アセットの「 大和-iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」とUFJ国際投信の「eMAXIS NASDAQ100インデックス」いう投資信託も知っておくといいでしょう。

iFree投信の紹介ページはこちら。目論見書はこちら

「大和-iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」基本データ

  • 設定年 2018年8月
  • 純資産 24,911百万円(2021年4月13日現在)
  • 基準価額 18,010円(同上)
  • 信託報酬 0.495%
  • 直近分配金 0円

 

eMAXIS投信の紹介ページはこちら。目論見書はこちら

「eMAXIS NASDAQ100インデックス」基本データ

  • 設定年 2021年1月
  • 純資産 15,004百万円(2021年8月10日現在)
  • 基準価額 12,328円(同上)
  • 信託報酬 0.44%以内
  • 直近分配金 0円

 

目論見書を見ればおわかりの通り、これらは上で紹介したインベスコのQQQと同じ、NASDAQ100指数をベンチマークとする投信です。なので詳細は省略。

信託報酬はどちらも0.4%台とまずまずお手頃な部類ですね。eMAXISの方が後発ですが、信託報酬が若干安いため、早くも人気を集めていますね。

分配金も出さず勝手に再投資してくれますので、QQQで定期積立をしたいという人には便利でしょう。定額積立も当然可能です。

 

11本のファンドの騰落率を比較すると?

 

さて、ここまでETF7本、投信4本の計11本のファンドを見てきました。

以下はすべてを比較しうる2018年8月から2021年8月までの約3年間の騰落率チャートです。バンガードのVGTとVOX、大和とUFJのナスダック100はそれぞれXLK、XLC、QQQとほとんど値動きが同じなので省略し、ETF5本と投資信託2本、それにS&P500を比較しました。

ハイテク
騰落といっても「騰」しかないですけど

 

見えにくいかもしれませんが、VOO(赤)を基準にすると、紹介したすべての商品がこれより高いパフォーマンスを示しています。

バンガードの2つと大和のナスダック100投信も入れてパフォーマンスの高い順に並べるとこうなります(小数点以下切り捨て)。

  1. 大和NYFANG+投信(ピンク)+144%
  2. IYW +121%
  3. XLK +111%
  4. QQQ +104%
  5. netWIN GSテクノロジー  +96%(注意)
  6. VOOG +79%
  7. XLC +62%
  8. S&P500 +58%

大和FANG投信は3年で約2.5倍と驚異的な成績です。やはり10銘柄に絞っているのは大きいですね。

IYW・XLKはいずれもほぼ同じ2倍強の伸びでした。

GSテクノロジーはチャート上では+61%ですが、これは年2回の分配金を入れない基準価額のみの騰落率チャートです。配当再投資の騰落率はHPのチャートで計算するとQQQと拮抗する+96%とほぼ2倍の伸びとなっています。

 

上位10銘柄の構成比率を比較すると?

 

続いては、紹介したファンドの保有株の組み込み上位10銘柄の構成比率です。色をつけたのは比率が最も高い投信。VOOGについては上位銘柄がほぼQQQと同じような比率なのでここでは省略しています。

ハイテク投信上位10銘柄比率

*構成比(%)はETFがETF.comで2021年4月15日調べ、GAテクノロジーは2021年3月、大和FANG+は同4月の月次レポートより抜粋。小数点第2位以下切り捨て。*GOOGはAlphabetのクラスA株とクラスC株の合算値。

 

大和FANG+投信が最も比率が高い銘柄が多いのは、10銘柄に均等に投資しているだけなので当然として、ほかのETFはけっこう偏っているのがおわかりいただけると思います。

ITセクターはAppleとマイクロソフト、通信サービスはGoogleとFacebookの構成比が突出して大きいです。

これらのETFはセクターごとの指数に連動させているだけなので、わざと一部に資金を集中させているわけではなく、その指数と同じ構成比にしているだけです。

そう考えると、実は一番とがっているように見えるGSテクノロジー投信が一番バランスよく配分しているのかもしれません。

テスラ(TSLA)はITでも通信サービスでもなく一般消費財セクターなので、最初にこの表を作った2020年夏頃は大和NYFANG投信にしか登場していませんでしたが、最新表ではいきなりQQQの第5位に出てきています。

あと前回XLKにしかなかったペイパル(PYPL)も躍進目覚ましく、現在は4つのETF・投信でベスト10入りしています。

 

どのファンドを買う?

 

これらのパフォーマンスを踏まえて、何をどう買ったらいいのかを考えていくことにしましょう。

基本的には、自分がこの先まだまだ伸びると思う銘柄を高めに配分しているファンドを買うというのが一番大事です。過去によく伸びているからと言って、未来もその伸び率が続くわけではありません。

比較可能なETFだけで長期10年の騰落率チャートを作ってみました。XLCはまだ新しいETFなので、通信サービスはバンガードのVOXです。

ハイテク投信2011〜

こうして見るとQQQが頭差リードという感じですね。IYWやXLKとそれほど差はありませんが、やはり人気のETFだけありますね。

VOXがS&P500をアンダーパフォームしているのを見ると、QQQが上抜ける理由は通信サービスではなく、TSLAやほかのセクター(バイオ株など)の成長が寄与しているものと思われます。

つまり、ハイテク株に限らずナスダック100自体が順調に成長しているということです。

成長+安定を求めるなら、やはりこのQQQか、大和の「iFreeNEXT NASDAQ100」を買うといいでしょうね。

ITの成長性に賭けるなら、XLKかVGTももちろん悪くありません。経費率の低さは魅力です。

GSテクノロジー投信はQQQやほかのハイテクETFに比べるとやや魅力が薄れます。分散の安定感はあるものの、信託報酬が高めでもあり、パフォーマンスが他より劣後するならちょっと手が出しにくいです。

超分散型と組み合わせるのも手

 

紹介したファンドを組み合わせて買うという手もあります。

10銘柄集中投資の大和FANG投信を他のQQQやXLK、VGTと組み合わせるとか。

全米株式のVTI、全世界株式のVTなんかをすでに積み立てている方なら、もう少しリスクをとってこれらのETFを並行して買っていくのもいいかもしれません。

VTIもVTもあまりに分散しすぎているので、大和FANGとの組み合わせでもいいかも。

銘柄やセクターをダブらせたくないなら、XLK+XLCまたはVGT+VOXもありでしょうか。この組み合わせ買ってる人は意外と多いかもしれません。

僕個人はVOO(S&P500)投信を前から積み立てていたため、2020年の夏頃から大和FANG+投信も並行して定期積立し始めました。ちょうど個別ハイテク銘柄の上昇が一服したところで、それらを利確してこの投信に付け替えた格好です。

まあ2020年ほどの値上がりは期待していませんが、大和FANG銘柄は自分もサービスを利用している銘柄が多いし、日本人のお金が知らない間に彼らに吸い上げられていると思うと悔しいので、利益を享受させてもらおうという気持ちもあります。

せこっ
ですかね

 

これを推奨するというわけではありません。保有している株やリスク許容度もあわせて考えて、ご自身の判断で最適解を導き出してください。

 

まとめリスクをとってハイテク投資に踏み出すべき

 

さて、米国ハイテクファンドの特集、いかがだったでしょうか。

最後に意地悪なチャートをお見せします。

ハイテク個別2016〜

 

これはQQQの上位10銘柄の過去5年間の個別チャートです。これを個人投資家に大変人気のあるQQQ、VT(全世界ETF)、VTI(全米ETF)、SPYD(高配当ETF)を比べてみました。

個別株はエヌヴィディアが約17倍、テスラ15倍、ペイパル7倍、ネットフリックスとアップルが6倍、マイクロソフトとAmazonが5倍に株価が急騰しました。

一方、ETF比較の10年チャートでトップだったQQQはグーグルとほぼ同じ約3倍。5年で3倍はもちろんすごい成績なんですが、ここでは下の方でゆるーく上がっているだけに見えますね。

このQQQに劣後するのはFacebookの2.5倍、そしてVTIの2倍。さらにVTは5年でわずか+70%、SPYDに至っては+20%でした。SPYDは配当を加味してもたかが知れています。

インデックス・高配当投資がここでは文字通り「敗者のゲーム」となっているわけです

その差を考えたら、グローバルに儲けている米国ハイテク株に少しだけリスクテイクして投資していくのも悪くないと思いませんか?

 

とはいえ、なんかの加減で一気に落ち込むのもハイテク銘柄の怖いところ。人気が集中してバブルにもなりやすいですし。

また、ハイテク株は2020年のコロナ禍でかなり恩恵を受けたので、短期的には割高感から下落していくか横ばい圏が続く可能性もあります。

なので、一気に買ってしまうのではなく、様子を見て少しづつ買っていくのがおすすめです。ドルコスト平均法を生かしつつ(以下の記事を参考に)。

ドルコスト平均法とネコ
超早わかり「ドルコスト平均法」|積立投資の必須知識 メリット・デメリットも解説積立投資に不可欠な「ドルコスト平均法」の知識とメリットをまるっとわかりやすく紹介。下落時に安く買い集め、平均購入単価を下げていくのがキモで、知っておくと定期定額積立がマイナスになっても逆にチャンスと思えます。デメリットもあわせてご紹介します。...

 

というわけで、リスクを考えながらも、魅力的なハイテク投資に一歩を踏み出しましょう!

今回はここまで!
やっと寝られる

 

米国ハイテクETF・投信9選まとめ
  1. ハイテク株が米国市場をけん引している
  2. ハイテクのパフォーマンスはS&P500をはるかに上回る
  3. ETFならQQQ、XLK、VGT
  4. 投信なら大和FANG+かGSテクノロジー投信
  5. 分散か集中か、組み合わせてもよし
  6. コロナ禍で恩恵を受けたハイテク
  7. ドルコスト平均法を生かした積立投資がおすすめ

 

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