おすすめ投資本

【970冊から厳選】元経済記者が本気で選んだ名著ベスト21選【最新2024】

ぐれあむ勉
ぐれあむ勉
こんにちは、ぐれあむです!投資の勉強始めます!
ダウの犬
ダウの犬
勝手にやれば~

 

今回は「投資本の名著」の紹介です。

新聞記者を引退後、投資を始めてかれこれ10年になりますが、この間に読んだ投資関係の本は1000冊は下らないだろうと思います。なんだかんだと年間100冊前後は購入して読んでいますんで(写真はマイ投資本本棚の一部)。

書店でのななめ読みの本も含めたら年300冊以上、10年の累計で3,000冊以上は目を通しているはずです。

投資本マニアなんで
マイ投資本本棚

 

その中から、投資初心者~中級者に自信をもっておすすめできる投資本の名著を21冊厳選しました。

投資の勉強を何からしたらいいのかわからないという人の道案内になればと願い、実際に読んでみて「本当に良かった」「ためになった」そして「投資の実践で役に立った!」という良書だけを厳選しています。

選んだ基準は、

  • なるべく実践的に投資やトレードをしてすごい成績を残している投資家の本
  • 研究者としてオリジナルの理論を持ちかつその後の投資の世界に多大な影響を与えた本
  • 長年読み継がれ、またはベストセラーとなっていて内容が古びない、投資家のバイブルとなっている

を中心にしています。

言葉は悪いけど世にごまんと存在する「●●投資術」「投資入門」のたぐいはこれら名著の亜流のものが多く、できるだけ基本となる名著を先に読んでおくべきというのが僕の考えです。

 

最初に申し上げておきますが、ここに紹介した本に「投資で必ず成功する答え」が書いてあるわけではありません。

書いてあるのはあくまでも「投資で成功する答えを導き出すための考え方」です。

個人投資家はこれらを読んでいろいろな考え方や投資方法があることを学び、知識を深めるとともに、その中から自分の資産状況や費やせる時間、リスクへの許容度にぴったり合う投資方法、つまり世界にひとつしかない「自分のための投資の方程式」を導き出さないといけません。

この中にそんな方程式を導き出せる1冊が見つかればしめたもの。その本をベースに、勉強と実践を繰り返していってほしいです。

それでは「おすすめ投資本21選」をどうぞ!
写真だけでええわ

★本稿は投資本のランキングではなく、内容に応じて投資初心者・中級者・上級者別に分類した「ステップ順」になっています。

 

目次

初心者におすすめの投資本の名著(難易度★)

投資の必要性を考える1冊『金持ち父さん貧乏父さん』(難易度★)

金持ち父さん貧乏父さん

ロバート・キヨサキ著『金持ち父さん貧乏父さん』(筑摩書房)

世界100か国以上で翻訳され、3000万部以上を売り上げた超ベストセラーにしてロングセラー。著者には2人の“父さん”がいます。1人は高学歴で勤勉だけどいつもお金に困っている実の父。もう1人は中卒だけど事業と投資で成功した親友の父。それぞれの「父さん」は何がどう違うのか。本書は著者がこの後者の金持ち父さんから学んだお金の哲学を、実の父(=貧乏父さん)の考え方と比較しながらわかりやすく開陳していきます。読み進めていくうち、金持ち父さんと貧乏父さんのお金に対する考え方や入ってくるお金の流れの違いがはっきりと見えてきて、自分が今まで抱いていたお金に対する”常識”が根本からまちがっていたことに気づかされます。そして、他人とのどんぐりのせいくらべ(本書では「ラットレース」と呼んでいます)から抜け出して真の経済的自由を手に入れるには、ファイナンシャル・インテリジェンスを身につけることが大切であり、「稼ぐために働く」のではなく「お金に働いてもらう」ことに認識を大転換していく必要があることがわかってきます。対話やエピソードが豊富で、厚いわりにとても読みやすいのも評価ポイント。「投資がなぜ必要なのかわからん!」「どうしたらお金をたくさんためられるのか知りたい!」という人にまず読んでほしい1冊です。

『金持ち父さん 貧乏父さん』の詳細な中身を知りたい方はこちらの記事をどうぞ↓↓↓

金持ち父さん貧乏父さん
3分でわかる『金持ち父さん貧乏父さん』|おすすめ投資本徹底解説全世界3000万部、驚異の投資本ベストセラー『金持ち父さん貧乏父さん』の概要を整理して3分で理解してもらうための記事。「おすすめの投資本」の詳しい解説も兼ねています。...
紫のカバーになって見た目がゴージャスになりました
旧版と内容変わらんやろ

 

富と幸福の人生哲学を教えてくれる1冊『バビロン大富豪の教え』(難易度★)

 

バビロン大富豪の教え

ジョージ・S・クレイソン著『バビロン大富豪の教え』(文響社)

今から100年近く前にアメリカの出版社の社長がパンフレットに書いたお金にまつわる短編小説数編が、金融関係や会社経営者たちの評判となり、やがて何百万という読者を獲得、現代にいたるまで世界中の人に読み継がれてきた名作中の名作です。交易と金融で発展した古代都市バビロニアを舞台に、そこに生きる商人や奴隷、知恵者(金貸し)たちのドラマを通して蓄財や資産運用、はたまた借金返済法など現代にも通じるお金の普遍的なテーマを寓話的に語っています。一生懸命働いているのに自分のうちにお金がないのはなぜか、資産を2倍に増やすためにやっていいこととやってはいけないことは何か、自分を追い詰める借金をどう解消しながら蓄財していくか、働かないでお金が手に入らないか等々、お金で苦労する人々の疑問を、「富を築く不滅の法則 黄金の7つの知恵」を持つ知恵者が教え導くスタイル。理屈ではなく物語仕立てのため初心者でも大変読みやすく、しかも単なる投資テクニックではない人生経験の深みが感じられるのが長く読み継がれてきた秘密でしょう。2020年に『漫画 バビロン大富豪の教え』がこの小説版に先行して出版され、ベストセラーとなりました。

本書の詳しい内容を知りたい方はこちらの紹介記事をどうぞ↓↓↓

バビロン大富豪の教え
【要約とまとめ】3分でわかる『バビロン大富豪の教え』蓄財の黄金の7つの知恵お金と幸福にまつわる普遍的なテーマ、お金持ちになる秘訣を、古代バビロンの人間模様を通して描いた投資本の歴史的名著『バビロン大富豪の教え』。100年も前に書かれ今なお読み継がれる魅力と7つの知恵のエッセンスを要約してご紹介。...
先行して発売されていた『バビロンの大富豪』(グスコー出版)も内容はほぼ同じです
漫画でええわ

 

日本のバフェットに蓄財の心がまえを学ぶ1冊『私の財産告白』(難易度★)

本多静六「私の財産告白」

本多静六著『私の財産告白』(実業之日本社)

成功した投資家というと現代では米国のウォーレン・バフェット氏が取り上げられることが多いですが、我が国にもバフェット氏よりずっと以前、明治期に独自の蓄財術で大富豪となった人物がいます。それが本書の著者、本多静六です。本多は苦学して東京山林学校(現東大農学部)に入り、ドイツで経済学を学んで帰国。母校で教鞭をとり、造園家としても活躍するかたわら、若いうちから勤倹貯蓄してためた資金をもとに株式投資をし、やがて山林王となる人物。収入の4分の1を強制貯蓄し、それを元手に株式投資。利益2割で利食い(利確)、長期で2倍になる株があれば半分を売却して元金を確保し、残り半分をそのまま持っておく。こうした投資を繰り返して巨万の富を築きました。安全確実が大事だけど、それだけではダメで、「絶対安全から比較的安全へ」と踏み出すこと。金は重要なものであり、これを否定する日本人の封建的風潮は気にしないこと。2倍のお金を使えるようになったところで人は幸せにはなれないこと。そんな徹頭徹尾考え抜かれたお金と人生の哲学が自身の体験したエピソードをまじえて披露されていて、それらが100年以上を経た今もなお通用することに驚かされます。「大切なのは雪達磨(だるま)の芯」とあり、まずはこれを作って複利によって増やしていくというバフェット流との共通点も見いだせます。お金持ちになるならまずは心構えから、を説く名著です。

本書の詳しい内容を知りたい方はこちらの紹介記事をどうぞ↓↓↓

本多静六
【カネのため方は大富豪に聞け!】渋沢栄一も認めた逸材、本多静六の実践的蓄財術超大金持ちとなった先人たちがいかにお金をため、増やしていったかを考えるシリーズの2回目。あの渋沢栄一も才能を認めた、大学教授にして山林王の本多静六をご紹介。月給4分の1天引き貯蓄、2割利食いの株式投資など、一代で巨万の富を築いた蓄財術がわかります。...
すべての日本人必読の1冊かもしれません
インベスターZも推薦!
私の財産告白 (実業之日本社文庫) [ 本多静六 ]
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素人がプロに勝つ株投資の極意を学ぶ1冊『ピーター・リンチの株で勝つ』(難易度★)

株で勝つ

ピーター・リンチほか著『ピーター・リンチの株で勝つ』(ダイヤモンド社)

著者は運用資金2000万ドルを13年で140億ドルにまで増やし、全米NO.1ファンドマネージャの称号を得た天才投資家。その著者が、市場でプロに勝っていくための条件や10倍に上がる有望株(テンバガー)の探し方、情報収集の方法、売買のタイミングなど、アマチュア目線で投資の基本から応用までを幅広く教えてくれる1冊。「アマチュアは視点さえ間違えなければ、プロや全体の相場よりずっと好成績があげやすく、有利だ」と著者は説きます。理由はいろいろ。個人は上昇が見込める小型株を見つけて自由に買えるが、ファンドマネジャーなどのプロは顧客説明や短期での成績を上げなくてはならないなどの制約があり、規模が大きいほどそういう無名の小型株は買いにくいため等々。身近な場所、日常の体験の中に有望銘柄探しのヒントがあり、そこにアマチュアの強みがあるという内容も目からウロコです。第13章の「知って役に立つ幾つかの数字」と第15章の「最終チェックリスト」は銘柄探しを始める前にぜひ一通り頭に入れておきたい内容でしょう。日本の株式市場にすべてが適合するわけではないものの、本書には株初心者(経験者も)が押さえておきたい基本が十分に網羅されています。数多(あまた)ある株投資本の中でも根強い人気を誇るロングセラーであり、「基本から応用までこれ1冊で十分」というファンも多い名著と思います。ちなみに私が初めて「テンバガー」という言葉を知ったのは本書でした。「馬鹿でも経営できる」「面白みのない社名の」「退屈で」「ニッチな産業」などの有望株の特徴や、「超人気産業の超人気株は買うな」といった教えは今読んでも示唆に富んでいます。

ことあるごとに読み返す1冊です
リンチでボコボコにして勝つ!

 

グロース投資の神髄を語りつくした1冊『株式投資で普通でない利益を得る』(難易度★)

株式投資で普通でない利益を得る

フィリップ・A・フィッシャー著『株式投資で普通でない利益を得る』(パンローリング)

「グロース(成長株)投資の父」と呼ばれる著者が、「最小のリスクで資産を最大化する最高の投資手法」を伝授した本。本書には隅から隅まで読む価値のある内容が詰まっていますが、とりわけ読んでほしいのが、経営者や企業風土にまで目を配る「最高の株を選び出す15のポイント」の章。商品には十分な市場があって伸びが期待できるか、現在の商品の成長が衰えても開発や改善で売り上げを増やす決意を経営陣は持っているか、高い利益率を上げているか、それを維持・向上するために何をしているか、労使関係は好調か等々、現在に至ってもまったく古びない真理が書かれており、ぜひとも繰り返して読んで頭に叩き込みたい内容です。このほか「行きすぎた分散投資はするな」「配当は無視せよ」「10倍100倍になるまで持ち続けよ」といった教訓、売り時を決める「3つの理由」などなど、グロース投資の根本的な考えが余計な図解や表なしに文章だけで語られています。後述するベンジャミン・グレアムからバリュー投資を学んだバフェット氏は、このフィッシャーからグロース投資の基本を教えられて大きく飛躍したと言われています。「20世紀最高の投資本」とも言われ、多くの投資本の「種本」となっている古典でもあります。別出版から旧訳も出ていましたが、このパンローリング版の新訳の方が読みやすいです。

息子も世界的な投資家です!
親子で稼ぎすぎ!

 

どんな資産をつくるかを考える1冊『世界のエリート投資家は何を考えているのか』(難易度★)

世界のエリートは何を考えているのか

アンソニー・ロビンズ著『世界のエリート投資家は何を考えているのか』(三笠書房)

『金持ち父さんー』でお金を働かせる必要性がわかったら、この本に進むといいと思います。著者は100か国以上、5,000万人に影響を与えてきた世界ナンバーワン・カリスマコーチと呼ばれる人物。これまで数多くの金融界のレジェンドにインタビューしてきたこの著者が、彼らの話を基に投資成功のエッセンスをまとめた本です。金持ちほど「金儲け=ゲーム」と考えており、そのゲームの正しい必勝法を学べとありますが、その中身は「生涯続く収入源を作る」「収入の一定額をコツコツ貯めて投資」「複利の効果を最大限生かす」など至極まっとう。お金が「増えない・貯まらない9つの理由」も身につまされます。後半では資産運用のための「黄金のポートフォリオ(資産配分)」作りが語られています。その中で、世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏が著者だけに明かした、どんな状況下でも負けない「オールシーズン型」ポートフォリオの資産配分は本書最大の目玉でしょう。本書は原書を2分割した前半部となっており、その後半部は『世界のエリート投資家は何を見て動くのか』(赤本)として出版されています。そちらにも世界の名だたる投資家へのインタビューが掲載されていますので、余裕があれば青本とあわせてお読みください。ただ赤本後半部はちょっと人生についてのコーチングとか精神論などに紙幅が割かれているため、投資についての指南であれば青本だけでも十分とは思います。

レイ・ダリオはめったにマスコミに出てこないらしい
ダリオってだりお?

 

投資の基礎からさらに一歩先の知識が学べる理想の教科書『投資で利益を出している人たちが大事にしている45の教え』(難易度★)

投資で利益を出している人たちが大事にしている45の教え

市川雄一郎編著、グローバルファイナンシャルスクール編『投資で利益を出している人たちが大事にしている45の教え』(日本経済新聞出版社)

日本を代表する投資スクール「グローバルファイナンシャルスクール(GFS)」とその校長であり、東証がお金のスペシャリスト10人に数える市川雄一郎氏が満を持して世に出し、発売後ベストセラー&ロングセラーとなっている本です。僕がみんなにおすすめしている無料の投資講座「投資の達人になる投資講座」はこの本のエッセンス版といえます。日本人向けでありながら普遍的な投資の教えが書かれているせいか、中国・韓国・ベトナムで翻訳出版されワールドワイドに読まれています。とかく初心者は投資テクニックを習得して大儲けしてやろうとしがちですが、そんなうわついた考えを根本からただし、お金を投資に回すことの本質的な意味と利益を追求するための実践的な考え方を45の原理原則にまとめています。内容は「投資とギャンブルの違いは何か」「金融機関の窓口やランキングは信用しない」「素人が大きな資産をつくるための勝利の方程式」「資産形成には育成期と維持期がある」「米国株はよく知る大企業、日本株は世界展開できる企業に投資」「上がる株には共通の条件がある」などなど。通りいっぺんの中身はひとつとしてなく、成功した投資家ならではの視点、初心者がまっさきに身に着けるべき投資哲学が随所に盛り込まれています。個人投資家の教えはどうしても偏りが出てしまう中で、本書は信頼できる投資スクールの教えがバックにあり、どんな人にも安心しておすすめできる「理想の投資入門書」と言えるでしょう。

僕個人もこのスクールで勉強して飛躍的に資産を増やすことができたので、自信をもって薦められます
まぢめやね

スクールの紹介記事はこちら↓↓↓

猫とGFS
【元経済記者が入会】GFS(グローバルファイナンシャルスクール)徹底解剖と生徒287人の口コミ・評判元経済記者がグローバルファイナンシャルスクール(GFS)に自腹で入会、生徒数33,000人超えの人気の秘密を徹底解剖しました。2,000本以上の講義動画や講師レベル、サービス内容を11の特徴にまとめたほか、生徒約280人の口コミ・評判も掲載しました。...

 

バリュー投資の基礎文献にして実践的教科書の1冊『バフェットの銘柄選択術』(難易度★)

バフェットの銘柄選択術

メアリー・バフェットほか著『億万長者をめざす バフェットの銘柄選択術』(日本経済新聞社)

投資の神様、世界一の投資家として知られるウォーレン・バフェット氏。彼の親族(息子の元妻)にして自他ともに認める「一番弟子」である著者が、バフェット氏の投資哲学を余すことなく伝えた歴史的名著。1997年の発売以来四半世紀も売れ続けている脅威のベストセラーであり、数あるバフェット本の中でもトップに挙げられる基本書です。前半の基礎編で「コモディティ型の企業は避けよ」「消費者独占型企業を見分ける8つの基準」「消費者独占型企業の4つのタイプ」「絶好の買い場が訪れる4つのケース」など、バフェットの好む銘柄や選択方法、割安時にしかける投資タイミングといった「バリュー投資」の極意をあますことなく披露。続く応用編では「バフェットの方程式」と題し、「投資収益率」を高めるためのさまざまな判断基準(国債利回り、ROE、利益成長率など)を示し、より深く実践的な銘柄選択の哲学を教えてくれます。バフェット氏自らが投資判断をした実際の銘柄でケーススタディも行っており、各章ごとにフィードバックの質問もあるため、通読してそれに回答していくことで氏が投資先に何を見ているのか大事な視点が自然と身に着きます。投資先を選ぶのが難しいと嘆いている人は、これを熟読することで銘柄選択の目が相当にグレードアップし、逆に探すのが楽しくなってくるでしょう。

個人資産9兆円の神が本気で指南してくれているような本です!
ちょっとめぐんでくれんかな

 

中級者におすすめの投資本の名著(難易度★★)

投資家目線で企業会計を理解するための1冊『バフェットの財務諸表を読む力』(難易度★★)

バフェットの財務諸表を読む力

メアリー・バフェットほか著『バフェットの財務諸表を読む力』(徳間書店)

先に紹介した『銘柄選択術』で銘柄選びの原理原則を学び、企業財務に興味を持たれた方におすすめの1冊です。「宝の隠し場所が書かれている」とバフェット氏が語る通り、財務諸表には優良企業を見抜くたくさんのヒントが数字に姿を変えて載っています。企業会計を1から勉強しようと思うと広すぎて気持ちが萎えますが、本書は投資家が銘柄探しに必要となるポイントだけを抜き出し、5つの章で合計「58のルール」として教えてくれています。いわく「バフェット流 利殖術の要諦」「同 損益計算書の読み方」「同 貸借対照表の読み方」「キャッシュフロー計算書の読み方」、そしてバフェット氏が好む「永続的競争優位性を持つ企業の評価法」など、有望企業の特徴やあぶない企業の特徴が数字のどこに現れるのかが書かれています。安定的に成長する企業を探すには、面倒でも財務諸表と向き合う必要がありますが、本書は「投資の神様」がその財務諸表の見方を投資家の観点から教えてくれるとてもぜいたくな1冊と言えます。

「すぐれた企業は消費者の一部を所有している」
なんのこっちゃ

 

いろいろな投資手法と思考法を学ぶ1冊『投資で一番大切な20の教え』(難易度★★)

投資で一番大切な20の教え

ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え』(日本経済新聞出版社)

世界最大級の資産運用会社の創業者である著者が、20年にわたり顧客に送り続けたレターをまとめた本。投資市場は不確かで、複雑で、落とし穴がたくさんあります。そこをかいくぐって勝ち残るために必要な「投資家心得」が20項目にまとまっています。「二次的思考をめぐらせ」「市場の効率性と限界を理解し」「市場サイクルの今どこにいるかを理解し」「投資チャンスを我慢強く待つ」等々、様々な投資の天才たちとその手法を熟知した著者が「40年以上かけて磨きあげてきた実効性のある投資哲学」を詰め込んでいます。とりわけ、リスクの理解とコントロールについての考え方は本書全体を貫くベースともなっており、手を変え品を変えてなんとか読者に伝えようという強い意志が感じられます。投資の神様バフェットさんが大絶賛し、大量購入して株主たちに配ったことでも知られる1冊で、投資家になろうと思う者にとってはぜひとも頭に入れておきたい内容がいっぱい。投資経験者ほど身につまされる内容が多く、初心者から中級者まで何度も立ち返って再読するに値する本と言えるでしょう。

狭い知識で投資を始めると大けがしますから!
経験者は語る

 

バリュー投資の古典的バイブル『賢明なる投資家』(難易度★★)

新賢明なる投資家

ベンジャミン・グレアム著『賢明なる投資家』(パンローリング)

1949年に出版されるや、またたく間に個人投資家の間で話題となり、バリュー投資のバイブルとなった古典です。「損失を最小限に抑え」「自滅的な行動をコントロールし」「持続可能な利益を最大限に高める」ことを原則としつつ、「時価に対して大きな安全域を有した価値ある銘柄」を探すべしと説いています。「投資」と「投機」をきちんと区別する投資のあり方、将来伸びるのは流行の株ではなく「魅力のなさそうな二流企業の中にある」といった知見の数々は、出版から70年たつ今も新鮮さを失っていません。概論的な教えを展開する前半部に対し、後半はより具体的な事例で投資先のリスクや投資判断を解説しています。第17章の「特別な4社の例」では、破綻した4企業のそれぞれ異なるリスクについて解説。また第18章の「8組の企業比較」は、株式名簿上ですぐ隣か近くにある(それゆえ名前が似ている)、業種も業績もまったく異なる企業2社を8組比較するユニークな試みをしています。同じ上場企業でもファンダメンタルズがあまりに違いすぎることに驚き、変に同じような業種の株ばかりに固執することなく、より多くの銘柄を比較して分散する重要性を教えられます。昔からある旧版本に加え、近年2分冊の『新・賢明なる投資家(上)』『新・賢明なる投資家(下)』が出版されました。『金融版悪魔の辞典』で知られる金融ジャーナリストのジェイソン・ツバイク氏が現代の市場にあてはめて解説を入れた特別版で、事例の古さを補う注解が理解の助けになります。ややお高めなので、まずは本人の文章だけの旧版を通読するのがいいかもしれません。旧版はkindleで無料で読めます。

ぐれあむの名に恥じない投資家になります!
本家にあやまれ

 

企業の優位性と普遍的価値は何かを知る1冊『千年投資の公理』(難易度★★)

千年投資の公理

パット・ドーシー著『千年投資の公理』(パンローリング)

著者は銘柄レーティングなどで知られる金融情報会社「モーニングスター」の調査部門責任者。生涯で幾千もの企業の価値を測ってきたこの著者が、長期にわたって平均以上の利益を上げられる企業の特徴と探し方をまとめたのがこの本。本書で特に紙数を割いているのが、他社が簡単にまねのできない事業の優位性=「経済的な堀(モート)」について。投資の神様バフェット氏も重視するこの「堀」の種類や見極め方が本書の最大の読みどころでしょう。「堀」がある企業には無形のブランド力があり、コスト、規模、場所の優位性があり、結果として必ず高収益になっている。こうした企業は「たいした経営判断なしに業績を上げられる」ため「優れたリーダーは不要」と、バフェット氏とまったく同じ意見を述べています。わかりにくいタイトルで損している気がしますが、グレアム&バフェット本でバリュー投資の基本を押さえたら、次にぜひ読んでほしい隠れ名著だと思います。

書名見た時はトンデモ本と勘違いしました!
千年は大げさやな

 

運用の基本とインデックス投信の優位性を学ぶ1冊『敗者のゲーム』(難易度★★)

チャールズ・エリス著『敗者のゲーム』原著第8版(日本経済新聞出版社)

イェール財団の財産を30億ドルから230億ドルに増やした資産運用の超達人が、その運用哲学をまとめた本。いわゆる「インデックスファンド」の優位性を示し、全米の個人投資家のガイドとなった超ロングセラーでもあります。著者によれば、ほとんどの機関投資家の運用成績は長期では市場平均を超えられず、株式市場はいわば「敗者のゲーム」となっている。その中で個人投資家は、市場に勝とうなどと思わず、ただ成長するインデックスファンドを活用すればよいと論じています。「運用とは科学でも芸術でもなく最も効率的な方法を決定するエンジニアリングである」など、投資経験に基づく理知的な発想が読んでいてとても魅力的です。本書はインデックス投資を世に広めた原典と目されていますが(ある意味その通りなのだけど)、「敗者になるくらいなら何も考えずにインデックスやっとけ」というネガティブな消去法を示しているのでは決してなく、投資における人々のさまざまな誤解やバイアスをただし、もっと長期的かつ幅広い視野で投資に望むよう、考えるべき方向性を客観的に示してくれることに価値があるのだと思います。たとえば20年間のトータルリターンはわずか35日のベストの日で決まり、「この期間を逃すとリターンが大きく変わる」など、長期保有の優位性についてデータで考えるよう促してくれます。また第20章の「個人投資家のための十戒」は、すべての投資家が念頭に置くべき必須のマネーリテラシーでしょう。投資の理論と実践(ポートフォリオ作りと資産運用)がバランスよく学べ、老後資金の運用についてきちんと考えたい人にもすすめたい1冊です。

2022年の改版を読み直して改めて名著だなと確信しました
よう何度も同じ本読めるな

 

投資の歴史と市場の現在を学ぶ1冊『ウォール街のランダム・ウォーカー』(難易度★★)

ウォール街のランダム・ウォーカー

バートン・マルキール著『ウォール街のランダム・ウォーカー』(日本経済新聞出版社)

1973年に原著が発売されてから半世紀近くたつ今も版を重ねて読み継がれているロングセラーです。著者はプリンストン大名誉教授の経済学者。肩書は重々しいですが、元はウォール街の投資銀行で資産運用や投資分析の経験を積んだいわば投資のプロ。そんな著者が、投資についてのありとあらゆる知見を網羅して解説したのがこの本です。チューリップ投機から仮想通貨に至る「バブル崩壊」の歴史、世に存在する様々な投資理論の歴史と成果、ファンダメンタル派VSテクニカル派、アクティブVSパッシブから、新しいところではスマートベータとリスクパリティーのポートフォリオ構築方法などなど、いろんなことに首を突っ込んで論評しているのが特徴です。よく、ランダム・ウォーク理論(過去の動きから将来を予測するのは不可能)や効率的市場仮説(株価にはすべての情報がすでに織り込まれている)、インデックス投資優位などの理論的支柱みたいに紹介されますが、この本の価値はそこではなく、投資にかかわるすべての人が考えるべき視点と材料をふんだんに与えてくれることだと思います。それも、決してアカデミズムに陥らず、投資家の「痒いところに手が届く」中身になっているのが素晴らしい。版を重ねながら新しい知見や新しい投資手法を書き加えて進化しおり、決して中身が古びないのも魅力です。「ウォール街の教科書」としてこれを超える類書は今後も出ないでしょう。

S&P500の記事でも紹介しました!
サルに負けるっちう話な

 

トレードに必要なメンタルを鍛える1冊『デイトレード』(難易度★★)

デイトレード

オリバー・べレスほか著『デイトレード』(日経BP)

投資を長く続けていると、もっとも大切なのは知識やテクニックではなくメンタルなのではないかと思えてくることがあります。そんなことを感じたときにぜひ読んでほしいのがこの1冊。トレーダーとしてもトレーディング教育事業でも大成功した著者が、「血のにじむような努力を重ね、時を忘れて学んで」体得した独自のトレーディング哲学を書き記した世界的なロングセラーです。「トレードとは株ではなく人を取引するもの(=安く売ってくれるか高く買ってくれるバカを探せ!)」「ウォール街(取引市場)では事実は問題ではない(=株価はニュース通りに動かない)」「ホームランは敗者のため(=熟練トレーダーは決して一発を狙いにいかず安定的なヒットを目指す)」等々、トレーダーが心すべき金言警句が盛りだくさん。著者は講演などでも人気があるようで、わかりやすいたとえで説明してくれるレトリックのうまさも本書の魅力です。個人的には「すぐに損切できない」性格や「時間軸を変更してしまう」素人の陥りがちなあやまちを戒めた「第5章 トレーディングにおける7つの大罪」が刺さりました。短期トレーダーに限らず、すべての投資家が心に刻むべき内容が盛りだくさん。繰り返し読むべき名著でしょう。

投資メンタル養成では『ゾーン』よりこっち派です
どっちも眠くなる

 

上級者におすすめの投資本の名著(難易度★★★)

長期投資の正しいあり方をデータから学ぶ1冊『株式投資』(難易度★★★)

株式投資

ジェレミー・シーゲル著『株式投資』(日経BP)

ペンシルベニア大教授で金融論を教える著者が、株式投資に関する様々な要素を膨大なデータをもとに分析した本。たとえば、株、債券、金、貨幣など過去200年の金融商品の価値の騰落率を割り出し、「安定した長期的利益を求めるなら株式が最高の投資」と実証したり、ある「1月は小型株の利回りが大型株を大幅に上回る」「9月は1年のうちで群を抜いて悪い月」といった季節のアノマリー(原則や科学から説明できない事象)が正しいのか間違っているのかを検証したり。それまであいまいにしか語られていなかったことやわからなかったことを1つ1つ定量的に分析しているのがこの本のすごいところです。ダウやS&P500などの歴史や銘柄の推移のほか、こうした指数(インデックス)やそれに連動するETF・投資信託の優位性を明らかにして、インデックス投資派の理論的支柱にもなっていますね。ここまで徹底的に数値検証した投資本は過去になく、これを知ることで主に長期投資の判断に自信が持てるようになります。この記事の一番下でも紹介しますが、『ファスト&スロー』の著者ダニエル・カーネマンのプロスペクト理論など、ガチガチの経済学者なら言及を避けたいはずの行動ファイナンス(行動経済学)も取り込んでいます。株式投資に対するあらゆる事柄をタブー視することなく研究対象とする姿勢は本当に素晴らしいです。投資家が絶大な信頼を寄せるという意味で、「株式投資本の金字塔」と言っていい名著と思います。

ジェレミー教授のCNBC出演は毎回楽しみ!
みえはるんやない!

 

株式市場を動かす新しい要因を学ぶ1冊『株式投資の未来』(難易度★★★)

株式投資の未来

ジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来』(日経BP)

シーゲル教授の本はこれもはずせません。先に紹介した『株式投資』に続く2冊目で、投資家の間では通称「赤本」と呼ばれ親しまれています。これを出版する前、シーゲル教授はITバブル崩壊を見事に予見しており、本書でもその知見を裏付ける強力なデータを紹介しています。最も紙数を割いているのは「新しく登場する成長株や成長セクターは過大評価されやすい」とする「成長の罠」の項。かつて市場を独占したIBMと旧来の銘柄を比較したり、このIBMを除いたITセクター全体がS&P500のリターンを下回ることを分析するなど、人気銘柄や業種が必ずしも長期目線では優秀とは限らないという見方を示しています。その他、高配当株再投資と値上がり益(キャピタルゲイン)投資の比較、先進国の高齢化や新興国台頭に向けた未来戦略など、相場を動かす比較的新しい要因を緻密に分析し、そこから利益を上げる戦略を紹介しています。これを読むと、自分の考えが短期的な視点だけにとらわれていると反省させられます。『株式投資』ともども、どこを読んでも勉強になる1冊です。

じぇれみー繁に改名しようかなあ
それもはずいやろ

 

相場の変化を売買に生かすための1冊『相場サイクルの見分け方』(難易度★★★)

相場サイクルの見分け方

浦上邦雄著『相場サイクルの見分け方』(日本経済新聞出版社)

著者は1990年代に日本で人気ナンバーワンアナリストと目され、証券業界団体のトップも歴任した人物です。そんな著者が、株式市場の循環的特徴を強気相場の「金融相場」「業績相場」、弱気相場の「逆金融相場」「逆業績相場」と4つのサイクルに分類、それぞれの局面で株価、企業業績、金利がどう動くか、どんな銘柄・業種が台頭するか、売買のタイミングをどうするか、などを過去のデータから分析して導き出した本です。彼の打ち出したこの株のサイクル理論は今も古びることなく、多くのアナリストや経済評論家がふつうに使っており、時代の節目、トレンドの転換点などにここに書かれていることを実感することが多々あります。我々はともすると近視眼的に短期の材料や景気状況だけでトレードしがちですが、本書はもっと大局的な見地から相場を眺め、さらに大きなトレンドをつかんで先んじる大切さを教えてくれます。景気循環は経済学ではごく当たり前の概念ですが、株の相場循環を理論的に説いたのはこの本が初めてでしょう。市場サイクルに特化した本ではハワード・マークス氏の『市場サイクルを極める』もありますが、ひいき目に見ても浦上氏の本書の方が圧倒的に具体的かつ明快でわかりやすいと思います。日本人オリジナルでこんな良書があったのかとうれしくなる1冊です。

株の4サイクル論は頭にたたきこむべきです!
まわるまわるよ時代はまわる

 

モメンタム投資の実践的教科書となる1冊『ミネルヴィニの成長株投資法』(難易度★★★)

ミネルヴィニの成長株投資法

マーク・ミネルヴィニ著『ミネルヴィニの成長株投資法』(パンローリング)

全米の投資コンテストで優勝し、5年連続3桁のリターンを上げた伝説的な投資家が、その投資ノウハウを余すことなく記した本。バリューでもグロースでもない、いわゆる「モメンタム投資(株価のトレンド)」を代表する著作です。ここでいう「成長株」とは株価が短期で急上昇する株という意味。上昇下落のトレンドや業種全体の見方、リスクの対処の仕方のほか、「高PER株を敬遠するな」「先導株を追え」といった著者オリジナルな知見は投資を長くやっているとすごくよくわかってきます。景気が悪化して長期で株価が停滞する時期があることも考えると、短期でトレンドを追いかけるこのモメンタム投資(トレンドフォローともいいます)はうまくやれば最も利益を伸ばせる投資法とも言えます。長期投資をやる人にはモメンタムの見方は必要ないかもしれませんが、短期の投資家がどのような目線で売買しているのか、どんな要素が株価を急騰させたり暴落させたりするのか知っておくことも大事。もちろんモメンタム投資をやろうと思っている人にとっては最も有用な1冊となるでしょう。ミネルヴィニ氏ら4人のモメンタム投資家があれこれ疑問点について語り合う『成長株投資の神』も超おすすめ。また名著のほまれ高い『オニールの成長株発掘法』とあわせて読むと急成長株の本質や具体的な値動きがよくわかってきます。

僕も米国株でモメンタムやってます
生兵法はケガのもとやで~

 

投資の達人たちの生の声を集めた画期的なシリーズ『マーケットの魔術師』(難易度★★★)

ジャック·D シュワッガー著『マーケットの魔術師』(パンローリング)

元アナリストであり自身トレーダーでもある著者が、ウォール街のヒーローと呼ばれる成功者たちに行ったインタビュー集。ヘッジファンドの帝王スタインハルト、1日に20億ドル相当の先物を扱うボールドウィン、成長株投資法で知られるオニール、日本人にも人気の高いジム・ロジャースら、登場するのは「超」がつく極め付きのトップトレーダーばかり。彼らを相手に、業界に入る経緯や初期トレードの中身、大成功・大失敗、成功のカギ、相場へのアプローチ、大切にしているルール、初心者に向けてのアドバイスなどが一問一答の形で書かれています。何度も全財産をすった後に大成功する人がいたりして、さながらギャンブラーの立志伝を読むような面白さがあります。その一方、実は損切りラインを必ず決めたり、投資上限額を守ってリスクコントロールするなど、かなりストイックに自分のルールを守り、かつ市場分析など相当熱心に勉強していることもわかります。成功に王道はなく、いかに試行錯誤の中から自分のスタイルを見つけるか。テクニックやノウハウでなく、トレーダーの考え方や精神面を引き出しているからこそ、本書は出版から30年以上たつ今も価値を失わないのでしょう。本書にはシリーズの続編として『マーケットの魔術師 株式編』『新マーケットの魔術師』『続マーケットの魔術師』『知られざるマーケットの魔術師』『マーケットの魔術師 システムトレーダー編』と要点だけをまとめた『マーケットの魔術師エッセンシャル版』が出ていますが、まずは読み物として抜群におもしろい第1弾の本書をおすすめします。

シリーズの中では本書と「続」と「知られざる」が面白いかも
そんなに読むのいやや〜

 

投資家心理を行動経済学から学ぶ『ファスト&スロー(上・下)』(難易度★★★)

ファスト&スロー

ダニエル・カーネマン著『ファスト&スロー(上・下)』(早川書房ノンフィクション文庫)

著者はプリンストン大の認知心理学者にして「行動経済学」の生みの親の1人。この分野での功績でノーベル経済学賞を受賞しています。本書は行動経済学の基本的な知識を一般の人向けにわかりやすく解説したもの。行動経済学を簡単に説明すると、「人ははたして合理的な判断に基づいて行動しているか否か、そこにはどんな意思決定のメカニズムが働いているのかを様々な実験を通して明らかにする学問」となるでしょうか。内容は驚きに満ちた実験結果やエピソードのオンパレードで全編抜群に面白いです。ただ投資とは関係ない内容が多いので、全部読むのが苦痛な人は上巻の第20章「妥当性の錯覚」と下巻の第26章「プロスペクト理論」だけでも読んでみてください。前者は、金融市場は本当は偶然に左右されているにもかかわらず、過ちを認めない自信過剰な人たち(売買する投資家や分析するアナリスト)が集まることで成立していることを、そして後者は、人は同じ利得より同額の損失の方を大きく感じること、そしてその損得の起点(=参照点)がどんどん変化してくことを説明しています。すぐに利確してしまう一方、損切を後回しにして損失を拡大してしまうのはそのためです。人は従来の経済学が考えるような合理的な判断はせず、しかも過ちを認めたがらない生き物であることを本書は教えてくれます。投資に参加する者は常にこのことを心に刻んでおきたい、というのが本書をおすすめする理由です。

『敗者のゲーム』のエリスさんも推薦図書に挙げています!
やれやれ、これで最後か、、、

 

 

おすすめ投資本22選、いかがでしたでしょうか。ド定番とともに、だいぶ攻めたチョイスもしてみたつもりです。

 

全体的に米国の翻訳書、特にパンローリングの手掛ける本が多くなりました。やはり投資先進国で長く読み継がれている本には時代に流されない重みがあります。

 

訳文がとっつきにくい本もあるかもしれませんが、とにかくその中身の濃さと著者の熱量を感じてください。「売らんかな」で粗製乱造される軽薄な日本の投資本とは内容の濃さが違います(最近は日本の投資本の良書も増えてきましたが、、、)。段階を踏んで読んでいけば投資知識が蓄積されて、どんどん斜め読みもできるようになっていきます。

本の積み重ね

 

この記事を書くため、ここには載せられなかった本も含めて既読の投資本を何冊も読み返しました。そして、今までなんとなく読むのを避けてきた本もこの機会にちゃんと手に取り、予想外によかったものは採用もしました(『千年投資の公理』『相場サイクルの見分け方』の2冊がそうです)。

 

かなり時間をかけて選びましたが、ラインナップは最初に書いたものからかなり変動しており、今後も入れ替えていきたいと思います。長く読み継がれる本も大事ですが、それらを吸収しつつ時代に合わせて上書きされる知見も大事なので。

 

この記事を読んだ方がご自身の投資スタイルにぴったり合う「生涯の伴侶」を見つけられたら、紹介者冥利に尽きます。

 

いい本だけをじっくり熟読しましょう!
稼げりゃなんでもOK!

 

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