追記:
複眼経済塾がリニューアルして、3つのコースに別れました。これまで1本のコースでしたが、
- 初心者向けの「予科」
- 中上級者向けの「本科」←(これまでの塾生はここに自動的に移行)
- 本科+四季報オンラインの「本科プラス」
の3つのコースに。料金体系も変わりました。
記事で概要をまとめていますが、くわしくは公式HPをどうぞ↓↓↓
「元経済記者・個人投資家が自腹で投資スクールに入会してみた」シリーズの第3弾。「複眼経済塾」を紹介します。
野村證券出身の異色のエコノミスト2人がツートップを務めるユニークなスクール(塾)です。
2022年に全面リニューアルし、コース・料金体系が大きく変化しましたので、それに合わせて記事の中身を全面リライトしました。
僕はけっこう前から(料金にぶつぶつ言いながらも)ここの塾生を続けていますので、今回はそのあたりの魅力も伝えられたらと思います。
これまで紹介したオンライン投資スクールのランキングはこちら↓↓↓
目次
野村證券出身、異色のコンビによる投資経済塾
このスクールの運営は、東京・市ヶ谷にある複眼経済塾株式会社です。
塾生のログイン後のホームページはこんな感じ。
(★取り扱い注意・複眼経済塾の動画や画像の著作権は同塾に属します。以下同じ)
講師は4人。
このうち渡部氏とエミン氏はメディアによく登場しているので、投資家の人ならどこかで見たことがあるかもしれません。
渡部氏とエミン氏は野村證券の出身で、機関投資家営業部という同じ部署の先輩後輩でした。
国内外の機関投資家に投資情報を提供する部署で、渡部氏はここで先輩から四季報を隅から隅まで読むよう指導され、後から入ったエミン氏がその薫陶を受けたようです。
渡部氏が独立して投資助言業の四季リサーチを立ち上げ、あとからエミン氏が加わって、2016年に現在の複眼経済塾を立ち上げました。
まあこのお二方の変人ぶりがすごいです(ほめ言葉です)。複眼経済塾はこのお二人の顔でもっているといっても過言ではないでしょう。
次の章からこのおふたりをもう少しくわしく紹介していきます。
代表の渡部清二氏は『四季報』読みの達人
塾長の渡部清二氏は『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』などの著書があり、25年分の四季報を全部読破しているという変人有名人です。2022年秋号で100冊らしいです。
東洋経済新報社が1936年(昭和11年)に創刊した株式投資家のための情報誌。日本の全上場企業を1ページに2社、2,000ページ近くに収め、会社データや最新の情報、来期予想、値動きなどを掲載。上場企業全社を収録した書籍は世界でもこれだけ(以前は『日経会社情報』がありましたが完全デジタルに移行し、書籍版は廃刊になりました)。しかも新春・春・夏・秋号の4回発行の季刊というのがすごい。ひところは発売日に読み込んだ人の売買で動く「四季報相場」というのがありましたが、今はオンラインなどの情報が早くなって、発売日には相場は終わってる感じです。
渡部氏は『四季報』を発行している東洋経済新報社公認の四季報読みの「達人」です。
渡部氏が書いたこの『10倍株・100倍株の探し方』は四季報読みの参考書の中でもピカイチの内容と思います。以下の記事でも取り上げました。
複眼経済塾に入るなら、この渡部塾長による『四季報』分析の講義動画は必見です。各巻ごとに教室講義が行われ(後日、動画がアップ)、今の日本企業全体の動向や景況感がつかめます。画像は2022年夏号の講義動画です。
あとで触れますが、トレンド分析や銘柄のピックアップをしてくれる「四季インデックス」という講義もおすすめです。
複眼経済塾はこの「四季報読み」を売りにしていて、セミナーなどの人集めにも「四季報」を使っています。
3~4時間かけて中身を読み込み、意見交換をする「四季報10倍ワークショップ」もあります。僕が最初に入会したころはたしか一般参加費3万円くらいでしたが、現在は5万円取ってますね。
国際相場観に優れたトルコ出身のエミン氏
続いては塾頭のエミン・ユルマズ氏。氏はトルコのイスタンブール出身です。
すでに日本に帰化されていて、塾内の文章などでは「寛松エミン」という帰化名(?)もときどき目にします。
この方の経歴がすごい。高校時代に国際生物学オリンピック優勝。来日して東大に入学、工学部を卒業し、(高給欲しさに)野村證券に入社。さらにポーカーの世界的プレーヤー(日本代表クラス)でもあります。
著書も数冊出ていて、僕もいくつか読んでいます。
『それでも強い日本経済』は、米中をはじめ世界で進む東西間の新しい覇権争いを「新冷戦」ととらえた本。日本はそれを追い風にできるというのがエミン氏の主張です。かなり前から「ジャポニスム再来」を主張しておられます。
『コロナ後の世界経済』も基本は同じ。新冷戦がイデオロギー対決となってきた、シンガポールに代わって東京がアジアの金融センターになる、割安株の多い日本市場で日経平均は2025年に5万円をめざす、等々の内容が書かれています。
元経済記者としては日本に対する見方が若干楽観的すぎるかなと感じますが、エミン氏に言わせるとマスコミ(とそれに乗せられる日本人)が悲観的すぎるんだそうです。
僕が初めてエミン氏を知ったのは、渡部塾長と同じ、東京MXの「ストックボイス」のゲストコメンテーターとして出演されていたのを見て。
この方の話がとにかくワールドワイドで、図解として出してくる資料が、経済記者だった僕も見たことのないような海外の指標ばかりだったため(投資関連の指標ってあんまり用がなかったということもありますが)、ほかの日本人アナリストとは違う、とても広い視野で株式市場や世界経済を分析している人だなと感じました。
それがきっかけでエミン氏の講演する投資セミナーなどに足を運ぶようになり、やがて複眼経済塾の存在を知り、入塾に至るという感じです。
「塾頭週報」はじめエミンさん大活躍
リニューアルした複眼経済塾では、エミンさんは国際情勢とマクロ経済の分析講義を主に担当していくようです。
もちろん以前からあるコンテンツも引き続き継続しています。
僕が特に好きなのは「塾頭週報」。世界情勢の分析や投資業界の話題を毎週動画配信していて、これは毎回楽しみです(画像は2021年7月の塾頭週報から)。
また、「トルコウィークリー」というこれも週1でエミン氏が情報発信するコーナーがあります。
これは動画講義ではなく文章だけ。トルコの動静や中東情勢など、日本にいるとなかなか伝わってこない情報が深堀り解説されています。
これら投資判断にも直結する国際情勢分析はエミンさんの独壇場で、複眼経済塾の強みにもなっています。
「四季インデックス」が儲かる(かも)!
このほかのコンテンツとしては、全国の有望企業を訪れる「企業訪問記」、企業トップを招いて自社を紹介してもらう「IRミーティング」などもあります。
しかし複眼経済塾ならではの目玉は「四季インデックス」および「複眼ポートフォリオ」でしょう。
『四季報』が出るたびに「気になる銘柄」を20社ほどピックアップして、動画でくわしく解説し、さらに実際に売買してその成績を報告しています。
他の塾生にとってはこれが最も楽しみなコンテンツかもしれません。
だって、自分の代わりに四季報の達人が3,800社の読破をしてくれて、有望銘柄まで教えてくれるんですからね。
とはいえ、資金の少ない個人投資家が「四季インデックス」やポートフォリオ内の銘柄を全部買うのは大変だし、中には大きく下げる銘柄もあります。
ポートフォリオ全体の成績は約6年で約2倍(+95%)という報告なので、達人が3800社から絞った個別株投資としてはちょっと微妙な数字です。
でも実際に投資するかどうかはともかく、渡部氏がどういう視点で銘柄をピックアップしているか、今の日本経済の時流はどうなっているかを肌で感じられるという点で、「四季インデックス」はすばらしいコンテンツと思います。
料金は人によってはやや高く感じるかも
料金はずっと月10,000円の1コースでしたが、2022年7月のリニューアルで3つのコースに分かれ、それぞれ異なる料金体系となりました。
以下は公式HPにあったクラス別の料金です。
これは1年分前払いの場合のひと月当たりの料金で、従来の月謝払いとなるともうちょっと高くなります。
既存の塾生が自動的に移行する「本科」は、月謝制だと月10,000円から月16,500円に大きく値上げ!
これまでは年12万円でしたので、月謝だと年間78,000円の値上げ、年払いでも42,000円の値上げとなります。
その一方で、初心者向けの「予科」コースが月謝制のまま月4,950円とお手頃価格になりました。
お試しで入りたい人はまずはこの予科コースに入って中身を確認するといいかもしれません。視聴できるコンテンツはかなり限られますが、、、。
「本科プラス」は新しいコースで、年額264,000円、月額27,500円です。
本科生と同じで全コンテンツが視聴でき、それに加えて四季報オンラインが使えたり、各種ワークショップの先行予約ができたりします。
この四季報オンラインは、四季報がデジタルで見られるほか、個別企業の最新ニュースや銘柄選定のスクリーニングがネットでできてしまうかなりすぐれもののページです。僕も四季報オンラインは長年プレミアムコースを個人で申し込んでいます。
四季報の達人がいるおかげなのか、塾生は割引料金(年58,000円→50,000円)で使えます。僕は別個契約は変えていませんけど。
このほか、リニューアル後に入塾費を5,000円から10,000円に値上げしています。
また、「四季報10倍ワークショップ」や「日経マジ読みワークショップ」など人気の研修会にリアルで参加したい場合、塾生でも追加で10,000円以上のお金がかかります。
僕自身はワークショップ参加にはあまり興味がなかったものの、全体のコンテンツの量を他のスクールと比較すると、10,000円でも若干高く感じていました。なのでワークショップなどに参加したい人にとっては、リニューアル後の料金はもっと高く感じるかもしれません。
ただ、渡部氏、エミン氏の分析はとても勉強になるし、独自のコンテンツも増えてきたため、投資家の定期的な勉強の場としては料金も動画本数もちょうどいいと思う方も多いのかもしれません。
塾生募集は年4回
もう1つ知っておいてほしいのは、複眼経済塾は新規塾生の常時募集をしていないということです。
2019年5月ごろから新規募集を停止し、欠員が出るたびに再募集をかけていましたが、2020年からは年に4回、1、4、7、10月に1ヶ月間だけ募集するように変わりました。
塾長・塾頭もメディア出演や講演活動、原稿執筆などでお忙しそうだし、少ない人数で管理・対応できる塾生の数にも限界があるのだろうと想像します。
ですので、入りたいときにすぐに入れるわけではないということは頭の片隅に入れておいてください。入塾希望の方はメール登録しておいて、募集がかかったら忘れずに申し込むようにしましょう。
感想まとめ 日本株、四季報特化の勉強の場として有益
さて、複眼経済塾のご紹介、いかがだったでしょうか。
僕は渡部氏の四季報分析とエミン氏のマクロ経済分析と国際情勢分析のコンテンツが楽しみで、少しお高めかなと思いながらも、わりと長く塾生を続けています。
入塾すれば確実に銘柄探しや分析の実力は向上すると思いますし、塾長・塾頭お二人の話が(動画でも)定期的に聴けるのもうれしいです。
ただし、ここは「四季報」と「日経新聞」の読みをメインにしていますんで、投資対象は必然的に日本株になります。米国株メインの人や仮想通貨・FXなどをやりたい人には向きません。
そうした自分の投資スタイルと料金負担も考えて、入塾するかどうかを決めたほうがいいでしょう。
僕の中ではここはサブという位置付け。がっつり体系的にお金や投資を勉強したい人には別におすすめのスクールがあります。以下の記事を参照ください。
紹介したスクールの評価はあくまで個人の意見ですので、参考としていただき、入学などはご自身の判断のもと自己責任でお願いします。
- 渡部氏、エミン氏の野村證券出身コンビが経営
- 『四季報』読みが持ち味であり強み(渡部氏)
- 中東情勢はじめ世界情勢の分析も得意(エミン氏)
- 独自に選定した四季INDEXが好成績
- 3つのコースで、料金はやや高く感じるかも
- 日本株以外の投資には向かない
- 新規塾生は年4回(随時募集していない)
概要や入塾案内はここをクリック↓↓↓